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ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅のMovingMoviesのレビュー・感想・評価

5.0
年老いた親のことが気になったらおすすめの映画だ
本作のアレクサンダー・ペイン監督は「アバウトシュミット」「サイドウェイ」で、ちっとも格好良くない、身もふたもない人々、たぶん多くのあなたや私の姿をそのままに、でも温かく描き出した。
今回は頑迷な父と父を心配しそれに付き合う息子の物語。
父は懸賞金が当たったと言い張り、1,000km以上離れたリンカーン、ネブラスカへ歩いてでも行こうとする。何度引き戻しても、けがをしても、家や病院を抜けだし歩いて行ってしまう。どうしてもいこうとするのをやめない父を息子は連れて行ってやるという

このような息子になりたかった。父の故郷に立ち寄り、父や母の悪口を言う男に「出ていけ」といえるような。

印象に残ったシーンは車で眠っている父。
まるで死んでいるようだ、あるいはとても小さい子供のよう。

父と子の関係は入れ替わってたようにみえるかもしれない。年老いた父は子供のようだ。
車に乗るとだまって外の景色を見ている。
人の話を聞いているのかいないのか、理解しているのかいないのかはっきりしない

でもやはり父は親なのだ。いくつになっても、たとえ子供みたいでも。