TAK44マグナム

悪魔の毒々ボウリングのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

悪魔の毒々ボウリング(2008年製作の映画)
3.6
ビリヤードへ行けば良かった!


カナダのホラー監督ライアン・ニコルソンが手掛けたバカと血にまみれた残酷絵巻!
監督は昨年亡くなわれてしまったそうで、本作の続編が監督としての遺作らしいです。
エログロに特化した作風が素晴らしいだけに、(日本以外の)ホラー界にとって失ったものは決して小さくはないでしょう。

さてさて、「悪魔の毒々」とタイトルについているものの、それは勝手に日本のメーカーが付けたもの。
実際は「悪魔の毒々モンスター」などのトロマ社とは全く関係ない作品。
それでもボウリングのボールの代わりに生首がゴロゴロど運ばれてきたり、ピンをオケツに突き刺したりする下品ぶりは、更に卑猥な続編を作りたくなるほど徹底したバカを貫いていて潔し!ですし、知らないで観たらトロマ作品と信じても仕方ないぐらいは天文学的にバカで素晴らしくゲボで半端ないぐらいにグログロ。
つまり最高!

しかしながらお話はくだらない。
ボウリング場にたむろする若者グループがボウリングバッグを頭から被った、視界がメチャ狭そうな殺人鬼によって殺されてゆくというボウリングスラッシャー。
またもや、いつものやつなんですけれど(苦笑)、本作の特徴は少しばかりエロ要素が増し増しになっていること。
スラッシャーといえばセックスをしたら殺される!ってぐらいエロさも定番要素のひとつですけれど、本作における犠牲者の半分ぐらいは性行為していたら本当の天国行き(いや明らかに地獄行きの連中もいますが)にされてしまうので、ソフトポルノといっても差し支えないぐらい。
大体、シックスナインの真っ最中に股間とオケツに押し付けられて窒息死なんて、警察の現場検証で既に恥ずかしさMAXな死にざまじゃないですか!
死んだら自分の姿を俯瞰で見ているってよく聞くので、そんな光景は絶対に見たくないはず!
ちなみにこの時に殺されるエロ100%な女子がほんの少しだけエマ・ワトソンぽいのでもっと生き残って欲しかったのに、最初にやられてしまうのでした。

監督の本業が特殊メイクって事なので豪快なゴアカットも元気いっぱい、将来お先真っ暗そうな若者を次から次へとグチャミドロにしちゃいますよ!
そのやり口も結構バラエティに富んでいて、
中でもボールの研磨マシーンで顔面を研磨される場面は出色。
ギューンギューン、ブシャーブシャー!
ありゃま!顔が無くなっちゃった!
キン肉マンのブラックホールみたい!
すごく酷くて感動!
とにかくサービス精神の塊なので見せて欲しいモノをあますところなく見せてくれます。出し惜しみナシ!
オカマ殺害なんて入念にチ●コをナイフで切り裂いたりするのも丸見え!
いや、それは丸見えじゃなくても良いけど!(苦笑)

とは言っても、丸見えなのはどうやら海外盤ソフトの場合らしく、日本国内盤DVDだとゴアカットは薄消しされているみたいです。
同様にエロカットはガッツリとモザイク入り。
勿論、海外盤にはそんな野暮な処理は一切ありません。
当然、字幕もありませんが、今はネットという強力な武器があるので殆どの概要は前もってわかるし、単純なスラッシャーホラーなら問題なし。
ハッキリ言ってしまえばゴアさえ観られれば目的は達成されるのでした。
ちなみに、北米盤ブルーレイには特典映像でアンカットバージョンが収録されていましたが、どのあたりがアンカットなのかと思ったら、セックスシーンでの局部がそのまんま丸見えなバージョンでしたとさ(汗)


いい加減みーんな殺されて、いよいよ寂しくなってきたボウリングレーンでもまだプレイを続けている連中も神経がどうなっているのか分かりませんが、さすがに怪しい雰囲気に気づいてボウリング場を探検し始めると、あれま!どいつもこいつも無残な姿で殺されているじゃありませんか!
死体が集められた地下でついに対面する殺人鬼BBK!
BBKって何なの?って思っていたら、ボウリングバッグキラーだって!
そのまんまじゃねえか!(苦笑)
この場面は死体の作りがよく出来ているし、なんだかんだいって5人も狭いところに集まる展開が無理があって笑えます。
語られる真相もどうでもよく、頭がパーン!と炸裂したり、腹からドバーッと臓物が出ちゃうようなゴアゴアを堪能するべき珍場面。
最後の最後までドバーン!と景気良く人体を破壊しようとする良い意味での頭の悪さがモロ好みでしたよ。
でも、頭部炸裂はボウリングのボールを投げたら命中!みたいにボウリングネタでやって欲しかったかな。
って、それだとバスケットボールでお婆ちゃんの頭が四散する「デッドリーフレンド」のパクりになってしまうか(汗)


それにしてもライアン・ニコルソン監督、けっして一般的に受け入れられるような作風ではございませんが、ドライブインシアターとかで毒吐きながらキャーキャー言って観るなら最適なボンクラ具合がとても宜しい!
古き良き80年代の匂いがそこはかとなく香ばしかったです!
こんなステキな才能が40代の若さで逝ってしまうとは本当に切ないし、大きな損失(涙)
正直、ストーリーはあって無きものですし、ポップな雰囲気は場面にとってはそぐわずに浮いた感じもしましたが、登場人物がやたらと「fuck!」ばかり連発するような頭の悪いシナリオはアカデミー賞には縁がなくとも我々のようなバカ映画好きには至高の好物なのです!
全くボウリングをやりたくはなりませんでしたが、ボウリングバックは被ってみたくなる、そんな映画でした!
fuck!!!


※点数は、あくまでも丸見えの海外版での視聴を前提としたものです。
モザイク等ありの日本国内版ですと−1.0ぐらいが妥当でしょうか。
ゴアカット規制では楽しさも半減だと思う作品です。


セル・ブルーレイ(海外盤・字幕なし)にて