原作からの改変や省略は別によいし、ちょっと喋りすぎな台詞も煽りすぎな音楽もまあいいでしょう。むしろエピソードの組み替えは巧みで原作のテーマも損ねてないし、『寄生獣』の映画化としてはうまくいったと思います。ああ…それだけに演出と編集の詰めの甘さが非常に残念。
とにかくシーンの切り替えが悪い。そこで変わるの？ってのが多すぎて、結果テンポは悪くないのにリズムがおかしい。他にも人物の物理的な距離感が不自然、キメの画を狙いすぎてか時々意味不明な動きをする人々、最低限必要なカットが色々不足など。
前編は凄く良かったんだけど、後編はコミック原作云々以前に映画としての出来が…それでも何度かウルッとしたのは染谷将太と橋本愛の演技のおかげ。浅野忠信のラスボス感やピエール瀧の不気味さも最高だし深津絵里もさすが。基本的には楽しめたし、良いところも多々あるので、仕上げがもう少し丁寧だったらな……
