ダイナ

ROOM237のダイナのレビュー・感想・評価

ROOM237(2012年製作の映画)
3.3
原作者キングを激怒させるほど原作と乖離していたにも関わらず異質な恐怖とキューブリックの特徴的なエッセンスが詰め込まれた内容は全世界をいまだに虜にし続けているという稀代の傑作「シャイニング」。表面的なストーリーラインとは別に隠れた意図があるのではないか?多様な職種のキューブリック研究家5人が深層へ我々を誘う…!といった挑戦的ドキュメンタリー。

[内容の一部]
このシーンの支配人に注目してください!股間に事務用品重なって…勃起したペニスみたいでしょ!観客の性的欲求を刺激してるんですねぇ!

…中学生の休み時間か?

ちょっと待って!3人長期宿泊だからって荷物が多すぎないですかァ!とかちょっとピンとこないものが多い印象。シーンの変わり目の場面と場面がダブる瞬間、モブの挙動、舞台設定あらゆる物にスポットライトを充てていて、スキーヤーのポスターがミノタウロスに見えるとかホロコーストやアポロ計画が示唆されているとか微妙に納得できそうなものから突拍子もない何言ってだこいつみたいな解釈まで盛りだくさんの100分。小物のインディアン缶の存在や実際の間取りと作品内のシーンの照合等、結構面白いものもあるのがMAX嫌いになれないポイント。特に通常再生と逆再生を重ね合わせることで浮かび上がるもの検証の映像の「ジャックニコルソンのピエロ」の件はくだらなすぎて爆笑してしまいました。

個人的にはくだらないと思わされる説ばかりだったのですが、あまり無下にできない内容でして、「新発見」って普通の見方じゃなかなか見つからないものだと思っていて、いろんな立場の人が蓄積してきた経験や技術と常人とはちょっと異なる角度からの視点で深掘りする本作の姿勢は結構嫌いじゃなかったです。再生と逆再生を重ねるとか何食ったら試そうと思うのか。重箱の隅を突きまくってるように見えなくもないけどこの挑戦的なスタイルは結構好き。

本作の説について、信じるか信じないかはあなた次第だけど僕はあまり信じてません。けど面白かったです。鑑賞時苛立つことがあったら酒を飲んでみてください。楽しくなります。真面目に観るというよりなんだこいつら!?と笑いながら観るのが吉。
ダイナ

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