ヤスマサ

イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所のヤスマサのレビュー・感想・評価

3.8
交通事故で昏睡状態に陥ったミア(クロエ・グレース・モレッツ)が、彼女自身に生死の選択を委ねられるヒューマン・ドラマ。
ミアは、交通事故で重体となる中、彼女の意思は彼女の体から離れて事態の成り行きを見守る。

冬の雪の降る道路を車が走っているシーンで始まるが、その後はミアの過去を振り返るシーンを交えながら話しが進む。
ミアの過去を振り返るシーンは、生死の境で彼女自身が見ている走馬灯のようなものかも知れない。
思い出されるのは、幸せな家庭に育ち、夢や恋愛に満たされながらも、どこか疎外感や孤独感を感じていた過去だ。
チェロがソロ楽器であることに自分を重ねている。
ミアが孤独を感じる理由は分からなくないが、生への気持ちが薄らぐ理由でもある。
生きる望みを失いかけたミアを思い留ませたのは、自分は一人ではないと知った最も最高な日を思い出したこと。
この映画に悪人はいない、皆んな善人だ。
やもすると恋愛映画のようにも見えるが、生きる糧とは何なのかを考えさせられる映画。
弟は、両親の影響とはいえ、あの歳であの音楽の嗜好は、将来が楽しみだったのに残念だ。
ヤスマサ

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