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ブリスフリー・ユアーズの白のレビュー・感想・評価

ブリスフリー・ユアーズ(2002年製作の映画)
4.0
森と人里を対比している。森は"世界"であり、人里は"社会"を象徴している。"世界"とはあらゆるものの全体であり、"社会"とは規定された関係性(カテゴリー)の全体である。カテゴリーが言葉によって構築されるものであるとすれば、"世界"は言葉以前のモノになる。
"世界"は目に見えているもので成り立っているようで、得たいの知れないもので構成されている。そして森のなかではカテゴリーを越えた関係に到達する="社会"における関係性が消える。
得たいが知れている人里="社会"は、目に見えないもので支えられていて、カテゴリーがある(医者、僧侶)。人間はカテゴリーに(そして過去に)囚われている。だがそうした輪郭を持たない森のなかで人は自由になれる。
『ブリスフリー•ユアーズ』の作家は、カテゴリーや物語内容(story)を超えて物語る。
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