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超高速!参勤交代のmitakosamaのレビュー・感想・評価

超高速!参勤交代(2014年製作の映画)
3.1
スカパーにて。
コメディとはいえ参勤交代をテーマにするなんて、なんて重厚な時代劇…と予想したが、思いのほかフィクショナルでビックリした。
「武士の家計簿」や「殿利息でござる」のような地に足のついた時代映画をイメージすると相当肩すかしをくう。

まず過酷な参勤交代の理由が、江戸の家老による策略で弱小藩を取り潰して没収しようとしたため。この家老(陣内孝則)が超ステレオタイプな時代劇のザ☆悪役!
街道を通らずに山道を直線距離で通り一部の関所だけを通過する。通過の際は人数を多く見せるなどの工夫。
そして忍者が助っ人に入り、江戸側の忍者とも抗戦。

江戸に入っても妨害工作を受けるがチャンバラバトルで大乱闘。
藩の剣士が強過ぎる。徳川幕府が平穏になり弱体化している間に、剣技に励んでいたから…とのことだが…。

あと、旅の途中の旅籠で藩主(佐々木蔵之介)が遊女/飯盛り女(ふかきょん)を身請けする。身分など関係ないって…随分近代的な思想の持ち主だなぁ。

コメディ部分は面白いし超良いのだが、余りにもリアリティに欠け過ぎてる気がするよ。
ドタバタ喜劇なうえ、チャンバラも超強くて、身分制度について時代にそぐわない近代思想の持ち主で、勧善懲悪で、忍者バトルもある…

いくらなんでも、ここまでリアリズムが無いとコメディとしても説得力無さ過ぎるんじゃないかしら???
古き良き喜劇のイメージなら、藩士のチャンバラの強さは要らなかったと思う。何から何まで策が講じて、そのうえ全ての見せ場で良い所を見せてって…。
チャンバラで圧倒されて命からがら逃げ惑いそれでも時刻に間に合う、の方が絶対に面白かったよな。
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