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死角関係 隣人夫婦男女四人のからみ合いのRenkonのレビュー・感想・評価

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(@シネマヴェーラ/2015.4.1)

映画というか昔の「火サス」である。
後で調べたら当時の火サスには、大林宣彦や鈴木清順らが監督をした意欲作も幾つかあったという。これもそんな作品の一つである。
「サスペンスドラマ」という枠組みに、清々しい程に嵌めようとしていない。(もはやタイトルがネタバレだ)
神代辰巳もかなり好きなように演出してるし、役者陣も本当にのびのび演技している。
特に夫が冤罪で捕まった妻の役を演じた酒井和歌子のキレっぷりは気持ちのいいくらいぐっちゃぐちゃになってた。
(周辺住民の嫌がらせにショットガンを向けるシーンがもう最高)
突如現れるマスコミ女の顔芸や、警察官の横暴な取調べ等々、完全にこちらを笑わせにきていた。
サスペンスの皮被ったコメディーじゃねえか。と思ったけど、濡れ衣を着せられたことにより当人のアイデンティティが崩壊していく様や、現代のマスコミによる当事者への過剰接近、関係もないのに嫌がらせをする住人の存在は、三面記事では伝わらない事件当事者の闇を描いていた。
正義面して他人の家庭を崩壊しようとする人間は、今作の酒井和歌子にショットガンで撃たれてオーケーだ。
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