たけひろ

機動戦士ガンダムUC/episode7 虹の彼方にのたけひろのネタバレレビュー・内容・結末

4.4

このレビューはネタバレを含みます

感動の最終話です。
UCは個人的に構造が複雑な物語だと思っていたので、事前に成り行きと時代背景の整理をして鑑賞に臨みました。
予想通り初見では理解に苦しんだと思われます。
おかげで展開に置き去りにされず、キャラクターの感情の動きに集中できました。
マリーダとジンネマンの別れ。
意識の海から姿を見せた懐かしのあの3人。
削られた宇宙世紀憲章の一節の公表による物語の終結。
涙腺が緩みました。

今回のUCシリーズは特に4話、5話に心を打たれた記憶があります。
ニュータイプの共感を持ってしても動かすことが困難な人の心。戦争に巻き込まれる人々の多様な主張。ハイレベルのアニメーションとともに、これらを丁寧に描くことをUCは大切にしていたと思います。

人の可能性を信じた少年と、その姿に心揺さぶられる劇中のキャラクター達と観客である僕ら。人は変わらないかもしれない。しかし、変わるかもしれない。儚くも宇宙世紀の世界は箱の解放を経ても悲劇を繰り返すことになる。それでも箱の解放によって変革を望んだ人の思いがあった事実に変わりはない。その思いが巡り、いつか世界をより良い方向に導くのかもしれない。この作品を通して、僕らが生きる現実はどう映るのか。

数あるガンダム派生作品の中でも、UCは傑作として語り継がれる作品になるのではないでしょうか。
宇宙世紀を見つめ直すという難しいアプローチを取りながら、ファーストガンダム以降続く世界観を壊さず、見事にまとめています。
原作者の福井氏をはじめ製作陣のスピリットに感服しました。
映像化ありがとうございました!
たけひろ

たけひろ