ぱしふぃっく

機動戦士ガンダムUC/episode7 虹の彼方にのぱしふぃっくのレビュー・感想・評価

4.6
『人間だけが神を持つ可能性という内なる神を』
ガンダムオタクでありながらこの作品を見るの躊躇っていたことを悔いた…主人公のバナージがオードリーという謎の少女と出会うことで『ラプラスの箱』をめぐる戦いに巻き込まれていくこの作品。ニュータイプという新人類を認めることができないオールドタイプ、平和を願いながらも戦いをやめれない人間たち。シリーズを通して問い続けられるこの問題にこの作品は一つの答えを打ち出したように感じられた。自分的にはリディ少尉がこの作品のスパイスとなっていてお気に入りのキャラクターである。ガンダムの主人公は強い感性で、正直人間離れした奴が多い中、このリディ少尉はこの作品のもう一人の主人公でありながら、非常に人間らしい主人公として描かれた。オードリーを巡り嫉妬し、家柄に囚われた人間。バナージという純真無垢な主人公との対比がとても良かった。敵であるネオジオンが打ち出す答えも正解であり、正直作中敵の言葉に納得する場面も多かった。しかしバナージは『それでも』と自分に言い聞かせ続け、これからの未来に託すという選択を選んだ。この主人公の葛藤こそがガンダムという作品の魅力であり、それがとても丁寧に描かれていて良かった。作画、ストーリー共に重厚なこの作品。ガンダムという作品ででいつまでも言い争いを続ける我々ファンにも響く言葉がいくつもあった。是非ガンダムファンもそうでない方にも見てほしい作品。