まーしー

映画ドラえもん 新・のび太の大魔境 ペコと5人の探検隊のまーしーのレビュー・感想・評価

3.5
映画シリーズ第34作。
のび太が空き地で拾った犬ペコとともに、巨神像が立つアフリカの秘境へ冒険に出るストーリー。

『インディ・ジョーンズ』を想起させる冒険物語。
ジャングルや深い谷、流れの速い川など、危険と隣り合わせの世界をドラえもんたちが突き進んでいく。
そして、数々の窮地をドラえもんのひみつ道具で乗り越えていく。この道具が終盤の伏線になっているところが、観ていて気持ち良い。

本作のヒーローは、冒険の道中で自己主張の強かったジャイアン。
わがままを言う反面、時には自責の念に駆られるなど、繊細な一面も。
そして何より、ジャイアンの責任感が強調されている。
特に、終盤。一人でペコを救出に向かおうとする姿がカッコいい。そして、炎を背景にしたジャイアンの台詞が無音になり、BGMが流れる演出も憎い。最も印象に残るシーンだった。

シンプルかつ爽快感あるシナリオ、魅力あふれる登場人物など、全体的に完成度の高い作品。
冒険しながら悪者を倒そうとする一点突破のストーリーながら、スリルとアクション、ドラマが偏りなく盛り込まれている。非常にバランスの取れた内容だった。

強いてマイナス点を挙げるとするなら、ペコの婚約者の声の演出。
元アナウンサーの夏目三久が担当していたが、お世辞にも上手とは言えず、強い違和感を覚えた。