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早熟のアイオワのkuuのレビュー・感想・評価

早熟のアイオワ(2008年製作の映画)
3.6
『早熟のアイオワ』
原題The Poker House.
映倫区分R15+.
製作年2008年。上映時間93分。

女優ロリ・ペティが自ら監督・脚本を務め、売春婦の母ちゃんと暮らす少女の日々をつづった自伝的作品。
主人公アグネスを演じるのは、2008年製作の本作の後に『ハンガー・ゲーム』(2012)とか、『世界にひとつのプレイブック』(2012)に主演して活躍してるジェニファー・ローレンス。同じく後に『キック・アス』(2010)でブレイクするクロエ・グレース・モレッツが妹役で共演してました。

※見るに耐え難い性的暴力シーンがありますので、視聴の際は十二分にお気をつけ下さい。

1976年、アイオワ州の小さな町に暮らす14歳の少女アグネスの家には、夜ごとドラッグディーラーや賭博、セックスを目的とした男たちがやってくる。母ちゃんはアグネスに売春を強要し、そんな絶望的な状況の中でも、アグネスは2人の幼い妹を守りながら必死に生き抜こうともがく。
しかし、やがてある事件が起こり。。。

余談ながら、アグネス自身やったか(他の誰かやったかもしれへんけど)の誕生日が詩人のe.e.カミングス(e.e. cummings)と同じであることに触れてた。
ロリ・ペティ(脚本・監督)とe.e.カミングスは、実は同じ誕生日、10月14日。
監督はe.e.cummingsが亡くなったちょうど1年後に生まれている。
小生の親友もまた10月14日生まれで、小生が10月13日と、e.e.カミングスの詩も愛してるし、どうも親近感持つなぁっと(関係ない話で🙇‍♂️)

ジェニファー・ローレンスが知られる前、彼女はここでスクリーンを輝かせたんやなぁ。
元女優のペティの子供時代を基にした実話でありながら、ある意味驚くべき物語でもあり、他の多くの素晴らしい演技に混じって、彼女は今作品で存在してた。
ローレンスは、無責任な母ちゃん(セルマ・ブレア)が呑んだくれでヘロイン中毒者の長女を演じている。
彼女の恋人(ボキーム・ウッドバイン)兼ポン引きは、ローレンスと親密で熱いシーン(役柄がくそロリータなだけなんやけど)を繰り広げ、才能の開花を予感させてました。
この作中の悪名高い屋敷じゃ、ポン引き、酒盛り、くそパーティー、そしてもちろん、原題にあるようポーカーも行われている。
ローレンスは今作品を巧みに支配してインパクトを与えていた。
周囲の演技、特にブレアと、盲目のバーテンダー役のデヴィッド・アレン・グリアも悪くなかった。
ウッドバインは、『ジェイソンズ・リリック(1994)』以来、常に印象的な演技の才能を発揮してると個人的にはおもう。
彼の暴力的で威嚇的なキャラはちょうどよく、そのポイントを突いていました。
彼の善きの仕事と云えるかな。
ポイント・ブレイクのペティの自伝にあるように、この家で起こっていることは、確かにイカれた逮捕に値するものやけど、売春の手ほどきを受ける幼い少女のフラッシュショットも、外で見ているジェニファー・ローレンスの視点から見ることができる。
また、くそ母ちゃん役のセルマ・ブレアさんも強烈やったし、妹キャミー役のクロエのバーでの数々のシーンは、この年齢でしか出すことのできひん我がままや明るさを放ってたし、かなり印象に残る演技をしてました。
初監督のペティは、今作品に特別なものをもたらし、終始、小生の心をつかむ作品に仕上げてました。
ジェニファー・ローレンスのファンにとっては、彼女どないなスタートをきったんか、間違いなく知ることができる1本やと思います。
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