閉塞感漂うアメリカの片田舎で、酒とドラッグに溺れ娼婦をしている母親と共に暮らす3姉妹の物語。
まだほとんど無名だったころのジェニファー・ローレンスとクロエ・グレース・モレッツが奇跡の競演を果たしております。
はっきり言ってストーリーの見せ方が恐ろしく稚拙な作品でしたね、これ。
登場人物誰もが全員いったい何がしたいのかさっぱり分からないせいで物語に上手く入り込めません。
それに、14歳の少女がレイプされ処女を奪われるというかなり胸糞悪くなるシーンが描かれるうえに、そんな少女の母親が追い討ちをかけるように「これでお前も客が取れる」なんてほざいちゃうしレイプ犯もお咎めなしで逃げ出しちゃうしでもう腹立って腹立って……。
最後、これが監督自身の半生を元にした自伝的物語だと明かされる訳ですが、でも、これを許せば結局不幸自慢映画が巷に溢れ返ってしまうことになりませんか?
映画はただ不幸な現実を再現するだけのものではなく、その向こうにある真実を描くことにこそ価値があると僕は考えます。
ということで、本作を純粋に映画としてみるなら、後のアカデミー賞女優J・ローレンスのその才能の萌芽を随処に感じ取れること、のちにブレイクするクロエ・グレース・モレッツを見出したこと、それぐらいしか価値はないと思います。
監督は本来は女優さんとのこと。
この二人の才能を見出したということは、その女優としての才能は確かなのかもしれませんね。