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コーヒーをめぐる冒険のGreenTのレビュー・感想・評価

コーヒーをめぐる冒険(2012年製作の映画)
2.0
主人公のニコは、ある朝、ガールフレンドを起こさないように家に帰ろうとするが、ガールフレンドは起きてしまう。「コーヒー淹れようか」って言われるけど「急いでるから」と断る。

この後、主人公はずーっとコーヒーが飲めない(笑)。

どーもガールフレンドと別れようとしている模様。しかもこの日急いでいるのは、飲酒運転で免停になっているので、カウンセラーに会って免許書返してもらう面接があったため。人生上手く行ってない人は、こういう面接で個人的なことを訊かれると、無意味に言い訳がましくなり、それでカウンセラーを怒らせて免許返してもらえない。

ニコはどうやら2年前にロースクールを勝手に退学、親には黙って仕送りを受け続けていた。その間無職で、免停になるわ、まあダラダラしていたわけなんだが、とうとう追いつめられる、って感じみたいですなあ。

映画はこの主人公の一日を追っていて、ガールフレンドの家、面接、引っ越したばかりのアパート(家賃払えなくて追い出されたのかも)、俳優崩れの友達と会う、親父に見放される、10年以上も会ってなかったしかも憶えてもいなかった同級生に再会(しかもこの娘がすごい可愛くなってる)、彼女の演劇を見に行く、高校生からドラッグを買う、バーで老人と会うと、「人生の縮図」を一日に収めた感じなんだけど、イベントのたびにコーヒーを飲もうとすると、いつも飲めない。

ドイツの映画なんだけど、結構アメリカっぽいなあって思った。主人公の男の子がアメリカにもいそうな感じだったし、演出とかも「やっぱアメリカと違うなあ」みたいには思わなかった。あ!あのコーヒー屋の店員なんて、アメリカにいそう!!意外とヨーロッパの映画も観れるかも。

白黒だし、なんかフィルムスクールの映画みたいだなあって思ってたら、やっぱそうだった。それが、なんかやたらと高評価を受けて、監督のデヴュー作になったらしい。

なんでこの映画そんなに評価高いんだろ。確かに色々面白いキャラ出てくるけど、基本的になにも起こらない。コーヒー飲めないってのも、もっとコミカルに描いて欲しかった。で、最後のバーで出逢う老人、何言いたいのか良く分かんなかったし、眠くなった。で、最後主人公も全く成長していない。

DVDに付いてた監督のインタビュー観たら、これは自分自身も体験した、「大人になる前にグズグズしたくなる時期」を描いているらしい。自分が何をしたいのか、何になりたいのかも分からないで、ダラダラ過ごしてしまう・・・。

まあそれならわかるなあ。こういう不毛な毎日を繰り返しているってことですね(笑)。
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