ネクストジムジャームッシュと言われている通りめっちゃリスペクトが伝わってきた。ジャームッシュだけではなく、ヴィム・ヴェンダース、ゴダールからかなり影響受けてる。タクシードライバーのセリフは笑った。
ベルリン在住の青年ニコのついてない一日を巡る話。
このニコは大学を中退した事を父親に隠しながら仕送りをもらいながら生活するろくでなし。だがそれは自分の周りへの違和感のせいだと思い込んでいる。
ある朝、一杯のコーヒーを飲めないまま、ニコはいく先々でことごとくついてない事が起き、コーヒーがなんらかの理由で飲めない。(マシンが壊れていたり)このついてない出来事に巻き込まれていく中で次第に人々の出会いに影響受け、成長していく。その最後の出会いの後翌朝になってようやくコーヒーにありつけるまでを描いている。
オープニングのmajor minorsのCandy Eyeが流れながら見るベルリンの街並みはかなり調子良い。
現代のベルリンの風景はニコの視点からは変な感じがするが、出会う人たちの話から同時に過去のベルリンの姿も浮かび上がってくるのがとてもいい。
劇中で何度かコーヒーを飲もうとしてはその機会を逸し続けるのがパターンになっているのと同時に、タバコの火を常に人から借りるのもパターンになっててとてもいい。
最後に出会うベロベロの老人の語りはナチス政権の凄惨さが伝わってくる。水晶の夜の話だろう。
この数々の憂鬱な出会いの後、 明け方にやっとコーヒーにありつけたニコは明らかに成長していた。
引っ越し先の部屋はパーマネントバケーションそっくりだったし、ジャームッシュのパクリって意見もわかるけど、これはちゃんとベルリンの心が入ってるオリジナル作品だと思う。
すごく良かった。