Jeffrey

レベル5のJeffreyのレビュー・感想・評価

レベル5(1996年製作の映画)
1.5
「レベル5」

冒頭、ローラと言うフランス人女性が語る沖縄戦争。大島渚の思想、猫、手、コンピューター、集団自決、日本軍、ひめゆりの塔、嘘の供述、捨て石と言う妄想。今、90年代のサイバーとオキナワモナムールの偏り話が始まる…本作は1997年にクリス・マイケルが監督したフランス映画で、大島渚が映像として現れる事は知っていたので、前々から観たかったのだが、日本では限定的にしか上映されていなくて、なかなか見ることができなかったが漸くこの度DVDが発売され初鑑賞したが地獄…。

所謂、沖縄戦の記憶の分有をテーマにし、フィクションを交えたドキュメンタリーで、30年間も上映が禁止されたジョン・ヒューストン監督の「そこに光を」の中の沖縄戦で記憶を消失した兵士の映像などがモニター上で映し出される。その他にフランス人女性のローラがコンピュータプログラムの中で最も難易度の高い「レベル5」のゲームを解く模様と渡嘉敷島の集団自決を体験した金城重明牧師の証言やサイパン島の岬から身を投げる記録フィルムが映されたりする。ゲームと言う仮想空間の中を上手く使っての映画である。

この作品クリス・マイケルが太平洋戦争の激戦地となった沖縄について詳細に調査しているとの事だが、正直言ってバイアスのかかった作品である。片方にしか調査してないんじゃないかと疑われても仕方がない。祝詞出てくるカトリーヌ・ベルコジャ演じるローラと言う女性がウザったらしい。と言うか馴染めない…ただ台本を言わされている感じのお粗末さ。当時の証言や記録映像を使用しながら、ゲームと言う仮想空間の中で現実と虚構を交差させてく感じの作風なのだが、ゲームにする必要があったのだろうか、90年代のコンピューターブームに則ったような映画である。

それから出演している金城重明(牧師)の物語と言っても過言では無い。それからちょこちょこ左翼思想全開の大島渚がなんでもかんでも日本の戦争は悪いと言っているのを見ると相変わらずだなと思う。そもそも亡くなった恋人が残したコンピュータープログラムLEVEL5を完成させようとする題材に第二次世界大戦での沖縄戦争を安易に使って欲しくない。

ところで、この作品の主人公とも言える語り部の女ローラはオットー・プレミンジャー監督作品の「ローラ殺人事件」と言う作品があるのだが、その主題歌のデイヴィッド・ラクシンを彼女が歌っているのを見ると、そのタイトルから主人公の名前をとってつけたかのように感じるのは俺だけだろうか。それにアラン・レネの「二十四時間の情事」の原題名であるヒロシマモナムールからぱくったかのようなオキナワモナムールとかふざけた名前も爆笑もの。

わざわざ囲碁の映像用意して、沖縄の捨石のことを説明している映像もむかつくし、切腹に対しての精神論をフランス語で話す日系?っぽい人の言葉もイラつく…。期待していただけにマジでショックだわ。2度見る事は無い。以上。
Jeffrey

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