いかえもん

フライング・ギロチンのいかえもんのレビュー・感想・評価

フライング・ギロチン(2012年製作の映画)
3.7
こちらもイーサン・ルアンの映画です。
これねー、邦題が悪すぎる。このジャケットとこのタイトル見たらそこまで重くないアクション映画だってみんな思いますよね?私もそう思ってました。アクションもありますよ、ありますけど、これはかなりシリアスなストーリーなんですよ。

清朝時代、「血滴子」という名前の暗殺団がいて、汚れ仕事を担ってきてたんですが、鉄砲隊ができたことでこの暗殺団が必要なくなり、逆にそれが時代の汚点になってしまうからという理由で皇帝の命令によって抹消されてしまうというお話です。今までがんばってきたのに、そりゃないだろ!みたいな話です。

時代の変わり目とか上層部の都合で翻弄されるのって悲しい。血滴子って隠された暗殺団だから、限られた人数で結束も固くて、家族みたいに過ごしてきてるんですよね。それがやってもないのに、なんなら国のために働いてきたのに、謀反だと罵られ一人一人殺されていくってやりきれないものがありました。

もう一つ、反乱がなぜ起こるのか?太平の世とは?という問いかけも重かったな。

余談ながら、この映画で皇帝の側近を演じていたショーン・ユーという俳優さんは「インファナルアフェア2」でトニーレオンの若き日を演じた俳優さんであることもわかってなんかうれしかった。ついでにドニーさんの「かちこみ!…」と「レジェンド・オブ・フィスト」、マックスチャンの「狂獣」にも出てることがわかりました。
んで、天狼という役の強烈な男前は、ホァン・シャオミンで、ドニーさんの「イップマン葉問」にも出てたことが分かって色々収穫もあった映画でした。