Fredisius

プリック・アップのFredisiusのレビュー・感想・評価

プリック・アップ(1987年製作の映画)
4.4
とにかくまとまらない。
まとまらないってことは相当に衝撃を受けた作品なんだなと鑑賞後数日たってようやくこうして文章化しています。

映画の構成的に結末を知った上で見るタイプの実話の映画なので、あえてネタバレのフィルターかけてません。ネタバレ少しでも嫌な方は観てから読んでいただいた方がいいかと。


高校時代にハリポタでイギリス俳優にハマり、デビシュやアラン、コリンらのLGBT作品を追っているうちにゲイリーのLGBT作品ということで見つけ、ずっと見たいと思いつつも、学生時代には鑑賞レベルが高すぎ、見れずにいた作品。

大人になり、アルフレッド・モリーナに落ちて、彼の出演作品をさらっていたらこの作品が!!

運命感じて、即、金の力で円盤を手に入れました。
10年越しとかの鑑賞で、大好きな盟友2人の迫真の演技にもう終始魅了されていました。

とにかく若いゲイリーが妖艶すぎる。
役柄的にもヤリマンなのですごいのですが、特に印象的だったのが3Pプレイの時のあの笑み……恋人のケネスを完全におもちゃにしているようなあの悪魔的な微笑みがこれでもかってほど見れます。

ゲイリーファンはマジで必見かと。

私はゲイリーよりもモリーナを贔屓しているので、内容的には辛い展開でした。

劇作家になるための環境は整っており、頭は固いながらも、猫を殺す芝居をするような内に秘めた激しさを持っていたケネス。
そんな激しさに共鳴したジョンにこれでもかと尽くし始めたのが、ある種の破滅の始まりで……。
尽くした分の見返りとして愛して欲しいケネス、ですがジョンの方は多分自分1番で他人を愛せないタイプの人間なのでしょう……ケネスの求めに対して、勝手に1人でヤレと言ってしまうような身勝手さ……
殺される直前のヤラせてやるよ、も、もはやケネスを恋人として見てないだろ……と。辛すぎました。きっと少しでも愛情を見せていれば死なずに済んだのではとか色々と考えてしまいます。

ケネスが薬に走った時、止めるような描写もあったので、やっぱりジョンもケネスが大事なのかとかちょっと思いましたが、よくよく考えると、ケネス自身を心配していると言うより、ケネスが居なくなると色々と生活に支障が出るからとか色々と背景があったのかとかより辛くなりました。
実際成功してからは彼から別れようとか言い出しますしね。もう使うだけ使ってきて、自立したらケネスはお払い箱かよと。

ケネスに肩入れしてしまう私としてはそういう意味では辛かった……ラストも……もううまくまとめられません。


映画は現代の人が日記を読み解きながら、既に亡き彼らについて語る形式が取られるので、当時と現代が急に切り替わり少しわかりづらい印象が。
ゲイリーのファンはもう見ていて飽きない麗しさとファンサービスの嵐みたいな映画ですが、LGBT作品としての芸術性という意味ではそこまで評価は高くないのかも…。

しかし名優2人のお芝居は本当に魅せられます。ゲイリーもモリーナも若くて、モリーナは当時30歳くらいだと思いますが、映画の中での初登場時は20代設定。お互いに映画内で歳をとっていきますが、その老けていく様も違和感なく分かります。

ゲイリーもモリーナも流石でした。
2人がまだ付き合いたてで仲良くしていて、見ていて楽しいシーンは何度もリピりたくなりそう。

もうまとまらないのでとりあえずこの辺で殴り書いて終わりますが、また色々と考えちゃう作品だと思うので追記するかもです。


2022/3/21 2回目鑑賞 DVD自宅スクリーン 字幕
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