Pokkopokko

愛の嵐のPokkopokkoのレビュー・感想・評価

愛の嵐(1973年製作の映画)
3.8
かなり衝撃を覚えた作品だった。まずナチスを必ずしも直接的には批判的に描いておらず、ただの「事象」としてしか見せていない。ただ、これはオーストリアには戦前、戦後とかなりの数のナチ党員がいて、戦後は被害者意識を前面だしてナチスに関わったひとが多かった事実がタブーになった側面が非常につよく影響している。しかしこれは、監督なりのタブーを明るみに出すことでの批判手法だったのかなとは思う。
また、これを女性監督がつくったという事実が何よりも衝撃だった。暴力装置と化したナチ軍人たちと、それに支配される女性が、屈辱と被虐に苦しみながらもそれに欲求を抱く。言葉にしたらチープだけど、このもうひとつのタブー描こうとする女性がいたことに驚く。きっとさまざまな不理解を乗り越えてこの映画を作りきったんだろうな…
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