湯っ子

冬冬の夏休みの湯っ子のレビュー・感想・評価

冬冬の夏休み(1984年製作の映画)
5.0
ずっと気になっていて、評価が高いことも知っていたんだけど、リストに入れたままになっていたこの作品。
なんでもっと早く出会っていなかったんだろう!
これ大好きなやつだ…

最初の方、おじさんの彼女が、顔は可愛いけど微妙にやな感じなところで、おっ、面白い。これ私好きかも、と予感がある。
次に、村の子供達が冬冬のラジコンと亀をぶつけて遊んでるところ、亀かわいそうだし、どうってことのない遊びなんだけど、子供達と一緒になってケラケラ笑ってしまい、これは絶対好きなやつ!と確信した。

もう、夏休み・半ズボンの男の子・虫取り網っていう絵面だけで、どうしようもなくワクワクしてしまう。
麦わら帽子にサマードレスの女の子も揃って、もう言うことない。

お母さんが病気で入院しているので、夏休みはおじいちゃんの家で過ごすことになった冬冬と婷婷。
おばあちゃんは優しくて、おじいちゃんは一見怖いけど優しくて、だけど怒るとやっぱりむちゃくちゃ怖い。2人を途中まで連れてきてくれた(彼女にかまけてはぐれてしまった)おじさんは、優しいけど頼りない。

冬冬と婷婷の夏休みの日々を淡々と描いていて、微笑ましい出来事もあれば、日常を少し壊すような出来事もいくつか起こる。

お母さんの容体が心配で、一緒にいられない寂しさを我慢しながら、何枚も手紙を書く冬冬の様子や、知的障害のある寒子と婷婷のふれあいには、胸の端っこをきゅうっとつかまれる感じ。

蝉の声、電車の音、たたみで昼寝…記憶の中の夏というのはどうしてこんなに懐かしく、切なく、恋しいのかな。
湯っ子

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