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冬冬の夏休みのkogureawesomeのレビュー・感想・評価

冬冬の夏休み(1984年製作の映画)
5.0
清水宏の『風の中の子供』
トリュフォーの『大人は判ってくれない』
エリセの『ミツバチのささやき』
キアロスタミの『友だちのうちはどこ?』
ケン・ローチの『ケス』
ウェス・アンダーソンの『ムーンライズ・キングダム』
小津の『生まれてはみたけれど』と並んで、大好きな子供が主役の映画。

お母さんが病気で入院しているため、おじいちゃんの家で夏休みを過ごす兄妹の話。お母さんに付き添うお父さんはエドワード・ヤン(トトロの糸井重里的ポジション)。
都会の子供であるお兄ちゃんの冬冬は、田舎の子どもが持っていた亀とラジコンを交換する。
すると、田舎の子どもたちは亀を持ってオモチャと交換して欲しいと列を作る。
お兄ちゃんの冬冬が田舎の子ども達と遊ぶのに夢中で、妹のティンティンは邪魔者扱いされるから、怒ったティンティンは川でお兄ちゃん達が遊んでいる間に脱ぎっぱなしの服を川に流してしまう。
そんな風にして映画は始まる。

頑固一徹なおじいちゃんとほっこりするおばあちゃん。
子供たちのまわりの世界もいろいろある。
伯父さんはガールフレンドとイチャイチャばかり。この伯父さんもエピソードもなかなか。
強盗を目撃したり、
知的障害を持った女性とティンティンのエピソードが特に印象に残る。

この映画は、脚本を担当した女性小説家の子供時代の経験が元になっているそうだ。

田舎の田園風景がザ・夏休み。空気感。ある時間が真空パックされている。
侯孝賢監督の映画はロケ地選びが抜群にセンスある。だからロングショットが魅力的。
電車が映る構図はいつも良い。台詞が無いシーンにシビレることがしばしばある。

余韻がすごい。
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