映画おじいさん

冬冬の夏休みの映画おじいさんのレビュー・感想・評価

冬冬の夏休み(1984年製作の映画)
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ロードショウ公開時に観てしばらくオールタイムベストで、15年くらい前に米国版DVDを購入して観たらそうでもなくて、今回スクリーンで観直したら初観と同じくらい心を揺さぶられました。

今回は主人公の妹ティンティンが狂女(不適切な表現ですいません…)・寒子に助けられてからの言葉を介さない交流が特に印象に残りました。

死の意味が今ひとつ分からないティンティンは小鳥の死骸を寒子に持って行き尋ねてはみるものの、寒子はただ嗚咽するだけ。
二人が一緒にいる時に寒子が木から落ちて意識不明に。彼女を無表情で見つめるティンティン。寒子が医者であるティンティンおじいちゃんのところに運ばれ、大人たちから寒子のせいで危篤のティンティンの母親のところに行けなくなったと口に出す。寒子の命が母親のそれより軽く扱われていることに気づいたような表情をするティンティンが素晴らしい。

寒子との別れの際も、助けてもらった御礼をしたいのかそんなことさえ考えてないのか分からない感じ、御礼をしたところで寒子には伝わらない切なさに、胸がしめつけられるようでした。

美しい画、自分自身ようにも感じられる懐かしい服装や遊び、劇的ではないものの心に残るエピソードの数々、、、つまらない言い方をすれば、何度観ても発見があるだろう私にとってエバーグリーンな作品であります。