爆裂BOX

蛾人間モスマンの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

蛾人間モスマン(2010年製作の映画)
3.1
湖で悪ふざけから仲間の一人が溺死し、それを事故に見せかけようと細工したキャサリン達。10年後、キャサリンは久々に故郷へと帰るが、再会した友人達は次々謎の死を遂げ…というストーリー。
1960年ごろにアメリカのポイントプレザント一帯で目撃されたUMAモスマンを題材にした、「新トレマーズ」や「マンドレイク 人喰い植物のえじき」に続きLIONSGATE社が贈るUMAシリーズ第3弾です。監督は「モンスター・オブ・レジェンド」や「クリムゾン」のシェルドン・ウィルトン。モスマン題材にした作品ではリチャード・ギア主演の「プロフェシー」とかもありましたね。
モスマン・フェスティバルを取材する為久々に帰郷したキャサリンですが、10年前に仲間の弟を水死させた人間が揃ったことでモスマンが現れ次々襲われて殺されていくという内容です。罪を犯してそれを隠蔽した主人公達が殺されていくという展開は「ラストサマー」彷彿させますね。
冒頭から仲間の一人の中学生くらいの弟ビビらせようと湖で足引っ張って溺れさせてたら死んでしまい、飛び込んで頭打って死んだ事にするために石で順番に死体の頭殴りつけるという中々に衝撃的で胸糞な始まり方です。あの人数で殴ってたら普通に傷とかで撲殺されたと思われそうだけど。しかも兄貴も殴ってるのが救えない。主人公達がそんなクズたちなんでイマイチ感情移入し辛いんですよね。主人公は泣きながら躊躇ってたけど結局殴ってるし、「殺人の罪深さは十分思い知った!私達も苦しんだの!」って自分で言われてもね…町に帰って来て道当時の彼氏と再会して道の真ん中に車止めて後続車に文句言われても「もうちょっと待ってくれ!」と話し続ける所は笑った(笑)今も自分勝手だな。
主役であるモスマンは翼生えた干からびたミイラという感じの外見で、有名なスケッチにあるようなデザインではないですね。CGも安っぽいです。モスマンの正体には諸説あるけど、今作では白人に拷問されて殺された先住民の呪術師が呼び出した悪霊という設定で、オカルトモンスターになっていて、鏡やテレビなどの反射する物から現れるという設定になっています。後半では普通に空飛んで現れてたけど。殺人を犯し隠蔽した者の前に現れて代理で復讐するという一種のダークヒーロー的な存在ですね。襲撃シーンでは殺される瞬間はオフスクリーンになってグロ描写などはないですね。
結構最初の方からモスマンが姿現してバンバン若者達襲っていって主人公達がその正体と助かる方法を探る展開になってテンポは悪くないですね。
モスマンの標的になったけど唯一生き延びた老人にその正体と対処法聞くけど、全然効果ない辺りで怪しいなと思ってたら案の定イカレタジジイで、モスマンフェスティバルにモスマン引き連れて現れてパニックになっていく後半の展開も悪くなかったです。町長イカレタ演説する老人に「そんな所にいたら引き裂かれるぞ!早く隠れろ!」って言ったり、「私の町で暴れやがって!」と拳銃モスマンに撃ちまくったり結構勇敢でした。過去に罪隠蔽したみたいだけど。
しかしポイントプレザントって実在の町なのに、「実際に起きた橋の崩落事故は当時の町長の息子がひき逃げ死亡事故隠蔽してそれで狙われて襲われたせい」とか「この町の人間は罪を隠蔽する体質だ!」といったり、余りにも無配慮な台詞や展開にはついつい「大丈夫か」と余計な心配してしまいます。
しかしケイシーは廃工場でモスマンに攫われた後どうやって助かったんだろ?特に説明されなかったし、その後普通に殺されたし。
ラストは「でしょうね」という感じでした。罪隠蔽したまま助かってハッピーエンドになられてもなと思ってたし。
この手のTVMB級C級モンスター物見慣れた人なら暇潰しにはなるかと思います。