超空間コベ

思春の森の超空間コベのレビュー・感想・評価

思春の森(1977年製作の映画)
4.0
年齢不詳(汗)の少年少女が、
森を舞台に繰り広げる愛憎劇。
思春期特有の、純粋さと残酷さ。

『ヴィオレッタ』(2011)の
エヴァ・イオネスコ監督が出演した、
伝説の問題作。

冒頭、マッパ少年とシェパードの
激しいプレイがあるんだけど、
『サスペリア』や『ビヨンド』みたいに
いつチンコを噛みちぎられるかと
ヒヤヒヤものでした。☆(笑)

【登場人物】
ラウラ:奴隷
ファブリツィオ:王様
シルヴィア:女王様

思春期を迎え、ファブリツィオは
性的な目でラウラを見る様になり、
粗暴な態度を取り始めます。

・落とし穴にハメる
・拘束して蛇プレイ
・可愛がっていた小鳥を串刺し

さらに、シルヴィアに出会うと、
「あの娘が気に入った、連れて来い」
と命じます。
意気投合したファブリツィオとシルヴィア。

・狩りゴッコ
・放尿を強要してその頭上から放尿

など、イジメはさらにエスカレート。
あげく、「そこで見てろ!」と、二人の
セクロス観賞を命じられるのです…。☆

それでもラウラは、アウトドアに
似つかわしく無いファッショナブルな
お色直しを十数回(!)に渡って
繰り返し、健気に付いて行きます。

…しかし、一番印象的なのは、
愛犬のシェパードに襲わせる所。

シェパードが登場する度に掛かる、
不穏なBGM。本作において、あの犬が
不条理の象徴となっているのです。

音楽といえば、狂気混じりのシーンで
印象的に使用される、
「♪ランララランランラ~ン♪」
のBGM。

ルチオ・フルチ監督作品で音楽を
担当していた、ファビオ・フリッツィによる
『ビヨンド』のスコアを彷彿とさせます。

そんなファブリツィオにも、楽しい(?)
夏が終わりに近づくにつれ寂しさが募り、
次第に不穏な空気へと。
そして訪れる悲劇…!☆

終わってみると、やはりイタリア映画。

『ヴィオレッタ』のDVD映像特典に、
現在のエヴァ監督がインタビューで
登場していますので、
そちらのご鑑賞もお奨め致します。
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