emily

Bo 堕ちていく少女のemilyのレビュー・感想・評価

Bo 堕ちていく少女(2010年製作の映画)
3.3
まだあどけない15歳の女子高生デボラは、"Bo”と名乗りエスコートガールとして働くようになる。仲介人の男と恋中になるが、母親にばれてしまい矯正施設送りに。脱走し、彼氏の家に転がり込むも・・

 堕ちるのは簡単だ。まだ15歳で無知な少女は甘い蜜の誘惑に簡単に落ちてしまい、徐々に徐々にエスカレートしていく。デボラは可憐であどけなさと大人の色気を兼ね備えており、透明感にあふれている。少女の欲は仲介人の男に支配され、身も心も男の思うがままの状態に陥ってしまう。母子家庭で、母親が酒浸りなのも原因だろう。本作はデボラの目線でしか描かれておらず、母親の心情は全く見えてこない。しかし娘を思い矯正施設に送りなんとか立ち直ってもらおうとするが、それは逆効果に働いてしまう。閉じ込めれば逃げたくなる。離せば求めてしまう。

 しかしデボラが極地に追いやられた時、頼れる人はたった一人しかいない。どんなに離れても、どんなに一人で生きていこうとしても、結局一番安全で安心なのは母親の元なのだ。若干15歳の少女は一人で生きていくのはあまりにも過酷である。文句言っても結局そこへかえっていくのだ。悔しくとも子供で居れる時間は貴重だ。それは今しかない時間で、いつかは大人になり自分ひとりで生きていかなくてはいけなくなる。どんなに背伸びしても、どんなに偉そうな事を言っても、15歳はまだ子供なのだ。
emily

emily