みかんぼうや

キングス・オブ・サマーのみかんぼうやのレビュー・感想・評価

キングス・オブ・サマー(2013年製作の映画)
3.3
親と一緒にいるのが嫌で家出した反抗期の高校生たちが作る森の中の秘密基地での約1か月間の生活を描いた作品。フィルマでの評価が高い作品なので期待していたが、正直なところ、作品全体の“ノリ”が合わなかった。

いわゆる「スタンド・バイ・ミー」的なみずみずしいひと夏の青春物語の王道的作品で、三角関係で友情関係にヒビが入るのも、一昔前の青春物の鉄板展開だが、あまり目新しさのようなものは無かったことと、作品全体を通して挿し込まれるポップでコミカルな演出がどうも感覚的に合わず、家出を心配する親たちはもちろん、肝心の主人公の少年たちにもイマイチ感情移入できなかった。結果として、終始作品との距離感を感じて没入できず、メッセージとして刺さるものもあまりなかった。

こういう青春系作品に没入するには、やはり主人公の誰かに感情移入したり、自由を求める彼らの若さに共感したり、自分の青春と重ねてどこかノスタルジックに感じられる部分が欲しいところ。

ただ、作品全体を通して映し出される森の中や自然の映像はとても美しかったし、最後の最後で、「やっぱり友情っていいよな~」というほっこりとした気持ちになれたのは良かった。
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