てつこてつ

パージのてつこてつのレビュー・感想・評価

パージ(2013年製作の映画)
2.9
そんなに遠い未来ではないアメリカ。一年間のある一晩だけは、日頃の鬱憤を晴らすために、誰もが、purge(粛清)、すなわち、自由に殺人が認められるというトンデモ設定がテーマ。

12時間の間、欲望のままに人々が殺人を繰り返したら、年間犯罪発生率が下がり、且つ、経済的活動も活発になると作品の中で説明される下りはさすがに無理があるが、発想自体は面白い。

実際、イーサン・ホーク演じる財をなしたエリートサラリーマンが住む富裕層が住む街並みの雰囲気、大豪邸を舞台に、purgeが開始され、殺人集団に狙われた黒人のホームレスを息子が情にほだされ家に隠すまでのピリピリと全体的に緊迫したムードは実にいい。

だけど、殺人集団が邸宅に入り込んだ後の流れが雑で、どうしようもない尻すぼみ感。特に、究極の場面で妻が取る行動の「ヤワさ」にはイライラさせられる。

絶対、もっと面白い作品に出来た筈なのに勿体ない。
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