自分も加害者だと気づいて変わる勇気。
間違っている主人公。
社会の不条理の中では、自分を正当化して家族を守るために道徳を捨てるのも仕方ない。奥さんも、子供が嫌がるのを聞かずにホームレスの腹を切る。息子は直感的な道徳を信じていて、娘は思春期で「こんなことは嫌だ」という自分の感情に素直。親だけが、社会に流されて「見殺しや攻撃も仕方ない」と言い訳する。しかし、この映画ではそれをする夫婦が悪役ではなく、その間違いに気づいて正せるか、という話。
標的にされないようにいじめを見過ごす生き方。それをできるのが大人、という認識の社会。しかし、何もしないのは加害者の味方をすること。それを見過ごせない息子の純粋な憤りに対して「大人は賢く自分たちのことだけ考えるんだ」と教えようとする父。
しかし、主人公は次第に自分も加害者と同罪だと気づき、子供に言い訳をしないで済む親になるべく、戦い始める。