MikiMickle

パージのMikiMickleのレビュー・感想・評価

パージ(2013年製作の映画)
3.7
2022年アメリカ。
3月21日午後7時。
1年に12時間だけ、殺人を含む全ての犯罪が合法化される。
その名はパージ。浄化という意味。
警察や消防もその間は機能を停止する。

人間の内に秘めた凶暴性、暴力性、恨み、憎しみを全て解き放ち解放するこの一日のお陰で、犯罪率・失業率は1%にまで低下していた。

しかし、パージには実はもう一つの局面があった。
それは、自衛の能力のない貧民層を、一般市民のカタルシスを利用して排除するという政府の裏の目的があったのだ。

ジェームズ(イーサン・ホーク)は、パージ対策の為の防犯装着を売るビジネスマン。
年上の彼氏との交際を反対されている娘のゾーイと息子のチャーリー 、妻と共に、防犯シャッターです閉ざされた豪邸でパージの夜をやり過ごすはずだった。
しかし、ゾーイの彼氏がジェームズと話をつけるために忍び込み、
更に、外で助けを求めるホームレスの黒人をチャーリーがかくまったことで、パージ集団に狙われてしまう…


オープニングで映し出されるアメリカ各地の暴力映像。
嫌な感じの隣人のおばさん。
なんとなく不穏な雰囲気で始まります。

パージ集団がなかなか気持ち悪い。
変な笑ってるお面つけて正装して。
富裕層である彼らが、パージを楽しんでいる姿が不気味です。

そして、真っ暗な豪邸の中での攻防戦。
ドキドキします♪

そして、もし、自分がこのような状況に陥った時、いかなる行動をとるのかという想像を思い巡らします。
何が善かもわからなくなるような狂気の一夜。
むしろ、善が悪となり、悪が善となる、逆転の夜…

で、思ったのが、これは辛烈なアメリカ批判の映画なのではないかと。
国全体のために犠牲となる人が死ぬ。
例えば、アフガニスタンやイラクでの戦闘で兵士となるのは、大学などに行けないような低所得者である。アメリカ政府はうまい事をいってそういった低所得者を救済もせずに戦闘へとかりだし、結果的に待つのは死である。
でも、当事者はその政府の思惑に気がつかない。
気がついても、なすがまま。
なんだか流されてしまう。右翼であるFOXが、アメフトの合間に反左翼CMを流しまくり洗脳されるが如く、パージというものが正当で正しいものだと信じこんでしまう。
何が正しいのかわからなくなる。

一見するとイライラするような息子と娘の行動も、ちゃんと考えたら、正当な事をしていて…

と、なんかすごく真面目に考えてしまったけれど、
そんな事考えなくても楽しめるシチュエーションホラースリラー♪

チャーリーの作った、ティミーっていう名前の、半分溶けた人形が乗ったカメラ付きリモコンカー(モニターは眼鏡‼)が欲しい(笑)
真っ白いワンピースで、奇声とともに斧をふり下ろしてくるパージ女に爆笑してしまった。
防犯シャッター、弱っ‼‼
そして、ラストのおばさんの鼻血どっば~‼には万歳っ♪
MikiMickle

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