にょいりん

フォックスキャッチャーのにょいりんのレビュー・感想・評価

フォックスキャッチャー(2014年製作の映画)
4.0
この話は事実を元にしているとして、映画内で社名も人物名も実名で使用しているのが改めて凄い。しかもデュポン財閥の。実際に起こった事と映画の内容は大きく何点か違っているそうだけれど。
そのデュポン財閥の御曹司ジョン・デュポンをもっとエキセントリックなキャラにしてサイコサスペンス風の味付けのはっきりとした映画にできただろが、この映画の味付けはぼんやりとしている。しかし、とんでもなく濃厚。
映画冒頭からほろ苦くて、それが映画終盤まで続く。この映画のクライマックスというべき終盤のシーンでも大きな衝撃というよりはその苦みがじんわり広がるのを感じるだけ。やはりな、やっぱそうなるよっという感じ。
そのほろ苦さは自分やみんなが持っていそうな自己顕示欲やコンプレックスや無意識の傲慢さをそこに観るから。