snatch

フォックスキャッチャーのsnatchのレビュー・感想・評価

フォックスキャッチャー(2014年製作の映画)
4.5
以前、BSで途中から観たのですが冷んやりした映像色と空気感が異質で引き込まれ、更に実話という事にショックを受け、今回じっくり観てみました。
主要な人物が3人いるのですが、各役者の演じる人物像が持つ過去と現在へ、観ている者を近づけさせる役作りが唸らせるほど見事です👏 更に3人の背景に、父像と息子、息子と母親、個人と国家、権力と名声の中身とは…アメリカ人の手本……そして銃、といった人間が形成されていく中で沈殿されていった固まりを、監督が緻密に描写し完璧な構成で高みに引き上げています。スティーヴ カレルが怪演するデュポンの死んでいる目、チャニング テイタムの不幸せな目、静かで冷たい森、窓の無い床が冷たそうなトレーニング室など、映画全体の温度が低く寒気がする作品です。映像の目指す色調が完璧だと思いました。…白熱する試合会場でもカオナシのようなデュポンの背負っている負のオーラが怖いー😨
内容は普通、日常では接しないであろう、二つの独特の世界が合わさるので、知らずに見た方が驚き引き込まれると思います。
デュポンの母親の馬の生命力の溢れる美しさと引き換えに、デュポン家の空の人形みたいな彼の中身が孤独と淋しさでしか作られていなく、哀れしかありません…
印象深い映画です。
この監督の「マネーボール」も良かったが、「カポーティー」も絶対観たいです‼︎
snatch

snatch