ソーラン節をご存じか

STAND BY ME ドラえもんのソーラン節をご存じかのネタバレレビュー・内容・結末

STAND BY ME ドラえもん(2014年製作の映画)
1.7

このレビューはネタバレを含みます

よかったところ!
・「ドラえもんは子供のときの友達だから」という大人のび太のセリフ。「ドラえもん」の1つのゴールが「のび太の成長と、それに伴うドラえもんからの独立」だと思ってる私のドラえもん観にとても合致する。原作にはないセリフらしいね。
・未来の街並みが綺麗。けど…
・主題歌。秦基博さんすこ。「透明だった世界」が好きです。

よくなかったところ!
・漫画的な表現をそのままフルCGに持ってきてるせいで違和感満載。舌を出して疲れを表現するのは漫画や2Dアニメだから成立することじゃないだろうか。私がフルCG苦手なのを抜きにしても気持ち悪いと思う。2Dのものを3Dに持ってくるなら絶対に検討すべきところをことごとく無視してる。
・ジャイ子との結婚が不幸で、所謂漫画のヒロイン像の権化みたいなしずかちゃんと結婚するのが唯一絶対の幸せみたいに描くのはやっぱり好かない。「原作がそうだから」と思考停止しないで現代の価値観にフィットさせればいいのに。それに、未来を改変するっていうとんでもないことをフォローする説明も圧倒的に足りてない。
・未来の結婚相手がジャイ子からしずかちゃんに変わる過程が意味不明。「ムシスカン」のとき頑張ったのはしずかちゃんだし、しずかちゃんがのび太のためにそこまでするのも納得いかない。実の母ですら発狂するのに。それで「君の優しさが未来を変えたんだよ!」と言われても。しずかちゃんがのび太が幸せになるための道具に成り下がってるというか、道具としても機能していないというか。
・感動的なエピソードを切り貼りしてるだけでひとつも深みがないし、雰囲気と音楽で感動させようとしてる感が受け付けない。全く感動できないエピソードで感動的風な演出をしてくるせいで、本当なら感動できるかもしれないエピソードまで冷めてしまう。しずかちゃんのパパの話とか。あれも、「これやっとけばいいんでしょ」感が凄い。
・未来の街をドラえもんとのび太がタケコプターで飛ぶシーンで、飛べども飛べどもトヨタとパナソニックの看板が大量にあって流石に笑う。
・ピクサーの完全下位互換みたいなエンドロールでのNGシーン集。
・作品の外だけど、キャッチコピーの「いっしょに、ドラ泣きしません?」がキモすぎる。作品を観てどう感じるかはこっちが決めるんで。

全体的な感想としては全然面白くなかったし、ひとつも泣けませんでした。どこで泣くんだろう。もっとつまらない映画はいくらでもあるけど、1番嫌いな映画はこれ。