Ryu

イコライザーのRyuのレビュー・感想・評価

イコライザー(2014年製作の映画)
3.7
悪(乱れ)を倒し(正し)、世の中の治安を維持する(周波数を調整する)男、イコライザー。

『ジョン・ウィック』のような華麗なアクションがあるわけでもなければ、『パニッシャー』のように武器をフル活用するわけでもない。一見どこにも魅力を感じさせない設定が実は本作の一番の魅力かもしれない。

主人公マッコールも一見すればどこにでもいる紳士な中年男性。ただその素朴なキャラクター設定が彼の心の闇や内なる正義、そして元CIAというタダモノではない感を寧ろ引き立てている。

アクションに関しては派手さを抑えることで無駄なくスマートなものに仕上げ、また下手にマシンガンのような武器に頼るのではなく身近な工具や栓抜きなどを武器に変えるという設定が彼のクレバーな一面や最強の殺人マシンという魅力をより強調しているように思う。

ストーリーも重厚とまではいかないまでもシンプルかつ無駄なシーンが無く展開もスムーズで見応え抜群なものにまとめられているため一切飽きることがない。

アントワーン・フークア監督作品ということで最後の天井スプリンクラーが作動している中で本編の大悪を倒すシーンは彼の処女作『リプレイスメント・キラー』の雨の中で主人公がマフィアのボスを葬るラストシーンと一致するものがあり彼らしい演出だと感じた。
Ryu

Ryu