ピト

イコライザーのピトのネタバレレビュー・内容・結末

イコライザー(2014年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

今作を観れば、戦闘においてシミュレーション能力が如何に大事かが分かるだろう。

常に脳内で自らの動きをシミュレートし勝機を見出す。
当然、日常生活においてもその重要性は変わらない。

例えば渋谷のスクランブル交差点。

あそこを無策で渡り出し戦死した若者をこの目で何人も見て来た。
前から左右から更には後ろから無限に現れる人々。
ノープランで行くと交差点の真ん中辺りでピンボールの玉状態になりあっという間にボロ雑巾の様にされてしまう。


では、デンゼル先生ならどうするだろうか?
シミュレーションを立てようにも、渋谷のスクランブル交差点に武器は存在するのか?

信号待ちをするデンゼル先生の目がキラリと光った。
シュミレート完了。16秒で片付ける。
おもむろに隣に立つギャル男のポッケからルブタンの長財布を抜き取るデンゼル先生。
そうか…ルブタンのトゲトゲはまさに凶器。
これで渋谷のパリピたちを流れる様に血祭りに上げていく。
19秒後、向こう岸に佇むデンゼル先生は交差点を埋めつくす死体の山に向かってこう呟くだろう。

「チッ、3秒も余計にかかっちまった…」


デンゼル先生には悪いが、私なら血を一滴も流さずに渡り切れる。

まず信号が青になる前に待機集団の一番前、ポールポジションの位置を取る。
無理なら一周見送れ。取れないおまえに勝ち目はない。

そして青になった瞬間、誰よりも早く飛び出し誰よりも速く歩く。なんなら小走りでもいい。
いや、もういっそ全力で走っちゃお。
とにかく誰よりも先に交差点の真ん中を通過する。
これが重要なのだ。
これにより左右からの人の流れは完全に封じられる。
四方の線が中心で交わる前に通り過ぎてしまえば、スクランブル交差点もただの一本道にすぎない。

残るは前からの集団のみ。
目線は遠く、決してスピードを緩めてはいけない。
誰とも目を合わせるな。もう目もギュッと瞑っちゃお。
目を閉じて猛スピードで突進して来るヤベェ奴が、前からズンズン来たらどうする?
そう、道はおのずと開かれるだろう。

叩けよ、さらば開かれん
求めよ、さらば与えられん

さぁ目を開けてごらん、そこはもう向こう岸だ。
16秒後、目の前に立つクロエたんにこう呟くだろう…

「やれやれ3秒も余っちまった…余った時間で恋でもしようか?」
ピト

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