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GODZILLA ゴジラのnorisのレビュー・感想・評価

GODZILLA ゴジラ(2014年製作の映画)
3.0
悪名高いらしいエメリッヒ版「GODZILLA」から16年ぶりだというレジェンダリー版ゴジラ映画で、一応29本目のシリーズ作品ではあるが、「モンスターヴァース」というレジェンダリーピクチャーのシリーズ第1作でもある(以降、キングコングとの抱き合わせで4本も続いている)。

ファンにとってはお馴染みらしい、このシリーズのバックボーンには、トルーマン大統領直下で巨大生物を調査研究していた「モナーク」という秘密結社の暗躍があり、原潜がゴジラと遭遇した1954年以来、60年代にかけての米ソ水爆実験はすべてゴジラを抹殺するためのものだったという衝撃の事実がさらりと語られる。ちなみに渡辺謙演じる芹沢博士もモナークの所属である。

映画の序盤は、富士山麓の雀路羅(じゃんじら)なる市で、原発直下の地震が起こって原子炉が崩壊、#ジュリエットビノシュ が逃げ遅れてメルトダウンにいたるというものだ。監督はフクシマを念頭に置いたとのことで、雀路羅は立入禁止区域になるのだが、アメリカ人しか出てこないので、なぜアメリカの原発が日本にあるのか見ている方は混乱する。
実はモナークは原発跡地で巨大生物を育てており、それがMUTO(Massive Unidentified Terrestrial Organism:未確認巨大陸生生命体)と呼ばれる、放射能を吸収し、ゴジラに卵を産みつける寄生バチである。目覚めたMUTOは雀路羅をメチャクチャに破壊してハワイに飛び去り、さらに雌体を求めて米西海岸に向かうのだが、MUTO憎しの種本能からゴジラも太平洋を横断してそれを追う。というわけで、サンフランシスコで3頭の怪獣の大決戦が始まるというわけ。

米軍は怪獣たちを水爆で殲滅しようとするが、MUTOは核が餌なので喜んでそれを飲み込んでしまう。核の起爆装置を解除するために投入された主人公(爆発物処理技術者)は、ついでにMUTOが産みつけた幼体を焼き払ってしまうのだが、それに気づいたMUTOがムキーッとなるのがおかしい。

ゴジラとの戦闘はなぜか明け方に行われるので、ひどく暗い。ハワイでの大立ち回りも夜間の設定でほとんど何も見えず、なぜか戦闘CGが抑えめの怪獣映画なのだった。
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