円柱野郎

新劇場版 頭文字D Legend1 覚醒の円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

しげの秀一の漫画「頭文字D」を原作にした劇場版アニメ。
峠の下りで走り屋のRX-7をぶち抜いた謎のハチロク。
その抜かれたRX-7のチームに交流会と称したタイムアタック対決を申し込まれた地元のチームだったが…。

原作は未読。
有名な作品だけどこれまでのTVアニメ版やOVAも観ていなかったので、本作はシリーズ初鑑賞ということでニュートラルな気持ちで観た次第。

気の強いライバルがまだ才能を自覚していない主人公にやっつけられるという作劇は、気持ち的に主人公に肩入れしたくなるので話の始まりとしても良いね。
その主人公の運転する恐ろしく下りの速いハチロクが、ライバル車に対して馬力が非力だという点も観客の判官贔屓的な気持ちをくすぐるところかな。
“ハチロク”という型式からくる愛称のせいで、自分の運転している“トレノ”とそれが結びついていないというところが、周囲とのギャップや無自覚さの仕掛けになっていて面白い。

映画としては3部作の1作目なので状況説明なども含めていかにも導入部分って感じで展開されるけど、60分という尺で赤城レッドサンズとハチロクの対決を主軸にテンポよくコンパクトにまとめられているので観やすい。
対決構造の流れから言うと、主人公と同級生のなつきとのくだりは少々流れを止めがちな気もするものの、本作終盤のバトルに引っ張り出す動機としては必要だし、淡泊な性格に見える主人公のキャラの厚みを出すにはそれくらいの日常生活部分があってもいいか。

登場する車はオールCG。
輪郭は強調されているので作画のキャラクターとのマッチングは問題ない。
縦線などの付け足しは原作のイメージを再現しようという部分だろうけど、まあさすがに手書きほどの力強さがあるかというとちょっと弱いか。
でもバトルのスピード感や迫力はCGならではの見応えでなかなか満足。
円柱野郎

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