よーだ育休中

トランスフォーマー/ロストエイジのよーだ育休中のレビュー・感想・評価

3.5
前作から五年。シカゴでの大惨事を経験した人類は善のトランスフォーマーである《オートボット》さえも災厄とみなすようになる。共同戦線N.E.S.T.は解体され、対トランスフォーマー戦闘部隊《CEMETERY WIND》による《トランスフォーマー狩り》が横行。オートボット達は姿を隠した。テキサスで廃品回収業を営むCade Yeager(Mark Wahlberg)は、古びた映画館の中で錆びたトレーラートラックを見つける。


◆ Autobots,Decepticons, Like little children.

降板予定であったMichael Bay監督が続投して製作された大人気シリーズの四作目にあたる今作。Steven Spielbergら製作陣はそのままに、人類側のキャストは一新されました。

前作までのシリーズ作品で主演を務めてきたShia LaBeoufをはじめとするWitwicky一家は登場しません。新たにオートボットと運命を共にするのはM. Wahlbergが演じるテキサス州の冴えない中年発明家。発明品は「かなり凝った趣味」の域を出ず、ビジネスとして成立していないため、廃品回収業で高校生の一人娘Tessa(Nicola Paltz)を養うシングルファーザー。彼が人類からの手のひら返しで迫害されたオプティマス・プライムと出会う事で物語が動き始めます。

オートボットもメインのオプティマス・プライムとバンブルビー以外のメンバーを刷新。恰幅の良い退役軍人のようなハウンド。グリーンのロングコートを羽織っているような出で立ちのクロスヘアーズ。プライムの事を「センセイ」と呼ぶ鎧武者のようなドリフト。個性豊かなニューカマーが登場しました。それにしてもオートボットたち、人類から恐ろしい仕打ちを受けているのに、心広すぎないか。

オートボットでもディセプティコンでもない、バウンティハンターを生業としているトランスフォーマー《ロックダウン》も登場。「オートボットとディセプティコンは喧嘩を続けて宇宙を散らかしている。だから俺が掃除をしてやる。」え、なんか厨二くさくてカッコよ。


◆ Always fighting, making a mess out of the universe.

今作では、トランスフォーマー狩りが横行する裏で《KSI》という民間企業がCIAの謀反者や賞金稼ぎのトランスフォーマーらと結託し、宇宙のテクノロジーを解析して軍需産業へ転用しようと暗躍していました。ワンマン経営者であるJoshua役のStanley Tucciの怪演が光っています。

マシンでは無く、恐竜型の強力なトランスフォーマーが登場したシーンは恐竜ヲタの血がふつふつっと湧きかけたのですが、思い返してみると二作目の『リベンジ』ではマシン感の無い人間に擬態したトランスフォーマーが居たのに、なんで今作の恐竜はメカゴジラなんですかね。不服です。

KSIが開発した新元素トランスフォーミウムをベースに復活を遂げたメガトロン(ガルヴァトロン)を初めとする人造トランスフォーマーたちのトランスフォームモーションが新しくなっていたり、所々で過去作との差別化が図られていましたが、キャストを一新してもやっていることは過去作と同じベイムービー。大同小異の感が拭えませんでした。

『恐竜絶滅』原因がトランスフォーマー絡みというぶっ飛び設定はさすがにやりすぎ。二作目の『原始時代』とか、三作目の『アポロ計画』とか、あんまり過去方面に話を広げるとシリーズ物として整合性が取りにくくなってくると思うんだ。過去は変えてはならんのだ。