mさん

ヒックとドラゴン2のmさんのネタバレレビュー・内容・結末

ヒックとドラゴン2(2014年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

続編は前作の要素に疑問を持たせたりある種否定して、さらに先へ行く。けど今回は前作のいいところを単純に否定しただけみたいになってた。

①ヒックが特別な存在になることについて
前作のヒックはなんの変哲もない少年で、ただ周りよりもいち早くドラゴンと意思疎通ができることに気づいた人なだけだった。むしろ誰しもがドラゴンと意思疎通はできないといけない訳で、ヒックにしかできない特別な能力として描くのは間違ってるから、この描かれ方は好きだった。前作で自分もいいと思った点で観客もトゥースの表情や動きだけでどんな感情かわかったし。
けど今回はヒックが村の長となって特別な存在になる。その時にポイントなのがお母さん。お母さんが事あるごとにヒックに向かって「あなたはドラゴンの心を持ってる」とか「ドラゴンと通じ合える力がある」とか言うんだけど、お母さんは20年間隠居してて今の人とドラゴンが共生する世界を全く知らない。だからヒックと自分だけがドラゴンと意思疎通できるって勘違いしてる。1の後の話なのに1(ドラゴンと人間は争ってる世界)状態のキャラが出てきてヒックを導くからよくわかんないことになってる。間違った導かれ方してる。ヒックが特別視されちゃうと前作の誰でも分かり合える部分が単に否定されて何も発展しない。だからちょっと納得できなかった。100歩譲ってヒックは他の人と違いありとあらゆるドラゴンと意思疎通ができるから、彼は特別。「みんな意思疎通できるけどヒックはめちゃめちゃできる。そう言う意味でのヒックは特別」なら、全員が意思疎通できることを否定してはいないから、前作否定にはならないんだけど、状況的にもあのママの言い方だと前作のいいところを否定する意味にしか捉えられないから残念。

②分かり合えないじゃん…
前回が人とドラゴンだったのに対して、今回は人と人との分り合いになるのかなと思って、これは確かに続編としての意味があるなって思った。ドラゴンに乗って世界が広がったことによって、他の世界にいた人間同士が交流できるようになる。そこで起きる理解することの難しさを描くのかなって思ったら全然違った。ヒックがあのボスを説得して見せる→いや絶対に分かり合えるはずないって否定される下りが3、4回出てくる。お父さんとかお母さんに否定されまくるヒック。これだけ言われればあ、じゃあヒックがなんとかわかりあう展開になるのかな?お父さんお母さんの言葉通りに進むわけないだろうしと思う。けど結局両親の言う通りで何それってなっちゃった。意思疎通できないものもある。ってことを言いたかったの?誰かとわかり合おうとするよりも長として島を守ることが大事ってことを伝えたいの?よくわからなかった。

③普通に構成がぐちゃぐちゃ
お母さんって言う要素がドラゴン族の話と全く関係ないのでごちゃごちゃになってる。だからお母さんとお父さんが再会するシーンとかこれいるのかなって思っちゃう。だってドラゴン族の話と関係ないんだもん…歌を歌うシーンもあんまりいらないんじゃねって思ったし、あとヒックの友達の恋愛事情もどうでもいいと思っちゃった。

前回1番嫌だったヒックがトゥースを五体不満足にした件についてまた言及があったけど、お互い様、チャラみたいなことを言っててやっぱりダメだった。ただ今回はトゥースが父親を殺してしまうので、流石にヒックに少し同情した。
けど立ち直りが早すぎて都合を感じたな…ラーヤには感じなかったのに…なんでだろうか。

相変わらずトゥースは可愛いし、グラフィックは凄い。
mさん

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