OASIS

ヒックとドラゴン2のOASISのネタバレレビュー・内容・結末

ヒックとドラゴン2(2014年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

前作から5年後の世界を舞台にヒックとトゥースの成長を描く「ヒックとドラゴン」の続編。
輸入Blu-rayで鑑賞。

前作ラストで片足を失いながらもバイキングとして大きな成長を遂げたヒック。
今作では村一番のドラゴン・マスターとして活躍する反面、父ストイックの跡を継いで族長としてトップに立つべきかという決断も迫られる。
20才となり何を取捨選択すべきかという判断も十分に下せる時期になっている分、これ以上成長させるにはそういう展開しか無いだろうというので大体の流れは読めてしまう。

3部作(もしくは4部作)構想の為次作への繋ぎという面もあるが、決して手抜きしている訳では無くてやはり高いクオリティは保っている。
冒頭のレースの、画面狭しと動き回る様々なタイプのドラゴン達といい、トゥースと並走しムササビ飛行で空を駆けるヒックといい、一から成長を描かなくていい分フルスロットルのアクションで飛ばしまくる。
ドラゴンを捕らえようとする狩猟団や、狂暴なドラゴン使いのドラゴといった敵も登場しヒックとトゥースの友情を切り裂こうとする。

中盤からはややブレーキで、ヒックを残して去っていった母ヴァルカとの再会、そして父母同士の再び燃え上がるロマンスが描かれ、シリアスになりやや熱も冷め始める。
それはたぶんヒックとトゥースとの絡みよりも父母とのエピソードが多くなり、前作ではそれぞれの個性を活かして大活躍した仲間達の出番が減ってしまったところにあるだろう。
母の周りにいるドラゴン達が、主人公同様腕だったり目だったり、何処かの部分を欠損している事からも決して楽しさばかりがあるわけではないであろう雰囲気が伝わってくる。

それでも、母との親子水入らずの場面では、広大な海や画面一杯に映るドラゴンの群れなどは素晴らしいし、雪や氷の表現は「アナ雪」を超えていた(わりとガチで)。
ボス・ドラゴン対ボス・ドラゴンのシーンは間違いなく劇場で観るべきだし、ドラゴ軍団対バーク島のドラゴン使いのシーンの戦場描写も中々の迫力だった。

ドラゴに操られてしまったトゥースの洗脳を解く時のあっさりとした感じや、トゥースが急に見せる覚醒などドラマがアンバランスな気もするが、ヒックのパートナーであるトゥースは成長する時も同じなのだから問題ない。
トドメを刺されず逃げてしまったボス・ドラゴンとドラゴの行方も気になるが、父を亡くし長となったヒックがこれ以上どのような成長を見せてくれるのか、次作に期待したい。
OASIS

OASIS