鈴木ほーだい

ルパン三世の鈴木ほーだいのネタバレレビュー・内容・結末

ルパン三世(2014年製作の映画)
1.6

このレビューはネタバレを含みます

デジタルの力をルパン達は借りるし、ハッキングもすれば、人体の一部を機械化したりもする。それは彼らの泥棒家業を大きく手助けするし、強大な敵を伐つのに欠かせなくなってきた。特に現代の時代背景に合わせた作品には顕著だ。
ともすればSFになりかねないようなことだってしているのに、SFだと思わせない魅力がある。
クローン人間なんてゴリゴリのSF作品だろうが、SF映画として見る人はいないだろう。僕も見ない。

しかしこの作品は(非常にハリウッドを意識した)SFアクション映画としてしか見れないな。

多分ルパン三世のハードボイルドな世界観を現代に寄せてしまったことにより、慣れ親しんだあの世界が壊れてしまった。
あくまでハードボイルドなあの世界観に時代が合わせるべきなのだ。

キャラクターの魅力も低い。

小栗旬演じるルパン三世は常にシリアスでローテンションだ。ちゃらけているシーンは少なく常にカッコつけている。逆だろう。中学二年生かお前は。常にちゃらけてているのにキメる所キメるからかっこいいんだろう。

次元は鋭く銃口の先を見つめ1発必中なクールでダンディーなルパンの良き相棒というイメージよりも料理が上手なイケメンヒゲおじさんって感じ。玉山鉄二はかっこいいが鋭さよりも温和でなれ親しい印象だ。親戚に欲しい。銃をやったらめったら乱射するな。

五ェ門はまぁまぁ良かったような気もするが「つまらんものを〜」って台詞はちゃんと切ってから言え。地面に刀突き刺しただけだ。切ってはない。そして切った時には言え。つまんなくなかったのか?面白いものを切ったのかあの時のお前は。

銭形は唯一のコメディリリーフとして頑張っていたけど、浅野忠信〜〜〜〜〜。吹き替え頑張れぇ〜〜〜〜〜〜。「ルパァァァン!!!!!」の叫びは終始良かった。無理にダミ声を意識せずに素の浅野忠信で良かった気もする。それだけの魅力はあるから。

不二子。ちょっとさぁ…頼むよ…不二子のステゴロなんて誰が望んでんだよ………違うでしょ。男を誑かし騙し盗り華麗に逃げる。不二子ちゃんをただの脳筋にしないでくれ。必要に応じてそりゃ戦うだろうけど、戦闘が必要なシーンが多すぎるんだよ。黒木メイサにセクシーさは皆無なんだから、せめてキャラクター性でセクシーな印象を持たせれるようにスタッフは考えろ。

あとハッキングババアおまえは一体どこのどいつだ。いきなりしゃしゃり出てくるな。かっこよくサングラスONにしたと思ったらハッキングする時はOFFにしてるしなんなんだよ。キャラクター設定ちゃんとしろよ。

それとずっとパズル弄ってたガキも誰だよ。当然のように「僕はマイケルを許さない」とか言ってたけど、空気読め。お前は完全に異分子だぞ。スーパーコンピュータを買ったとかドヤ顔で言うならなんでお前がハッキングをしない。ババアに頼るな。ブレーン担当ならブレーン担当をやりきれよ。

マイケル。マイケル君。いや、本当になんなんだ。君いる?いやこのストーリーのキモだから君がいないとストーリー破綻するのは当然なんだけどさ。なんかもう終始ムカついてしまったんだよな君。理由も分からずムカつきながら見てしまったな。なんかむしろゴメンよ理不尽にムカついて。

カーチェイスもただの鬼ごっこだし、あの壁を走ったりさぁ、現実に起こり得ないことは分かってるさ。そりゃ分かってるからそれをそのままやれとは言わないけど、もっとドキドキできるカーチェイスにできないものかね。

終始テンプレート通りの退屈なテンポで進むが、それがルパン三世に合わないことは作る前から分かると思うんだがな。
ルパン三世のテーマが使われていないのも興が削がれる。ずっと期待してたのに、最後まで使われてるのは布袋のスタイリッシュギターサウンドだ。違うでしょう。スタイリッシュなハードボイルドはあるけど、スタイリッシュなだけだったよ。

長々と色々言ってしまったな。あちこちで言われてるけどルパン三世でさえなければ、ただの和製ミッションインポッシブルなら良かった。ルパン三世という看板を使ってしまうからこうなる。
ヲタクが必ずしも良い作品を作るとは思わないが、ヲタク並みの拘りを持って作って欲しかったな。