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オール・ユー・ニード・イズ・キルのRのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

自宅で鑑賞。

桜坂洋のラノベ原作の映画化作品。

監督は「ジャンパー」のダグラス・ライマン。

テレビで鑑賞。

やっぱ、これおもしれぇわ。うん。

つか、下手したら個人的にトム・クルーズ(「マグノリア」)主演作で一番好きかもしれない。

話は近未来。地球は「ギタイ」と呼ばれる侵略者によって滅亡の危機にさらされていた。軍属の報道官、ウィリアム・ケイジ(トム・クルーズ)は将軍の不満を買い、敵地の最前線に送られてしまう。そこで他の個体とは異なるギタイの攻撃を受けたことで、死ぬことで出撃前日に戻るというタイムリープに巻き込まれてしまうという内容。

だが、これが実に面白い!!

まず、トム・クルーズというとどんな映画でもその甘いマスクと勇猛果敢な活躍で現在もメジャー映画界の第一線で活躍する逸材だが、本作ではそんな、THE主人公な感じではないのだ。

今作のトム演じるケイジは報道官、つまりメディア担当なので、本来ならば前線で死地に赴くような勇敢なタイプではなく、所謂エリート。

だから、ブレンダン・グリーソン(「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」)演じるブリガム将軍に戦地に赴く任務に任命された時も「僕はちょっと…」と逃げ腰な状態。

今まで正当な主人公としてのイメージが強かったトムがこの役を演じることが面白い。

本来ならば映画において脇役というか、憎まれ役のようなこのキャラをトムが演じることのギャップが生み出す面白さが今作、至る所に散りばめられている。

例えば、基地訓練でアーマーに身を包んだトムが列を抜け出し、ヒョコヒョコと逃げ出そうとする場面とか、上官に「腰抜け!」と至近距離でどやされてうんざりする顔だとかもう序盤戦地でのシーンはどれも面白すぎ!!

それまでのイメージを軽々と打ち崩すトムには敬服するばかりだ。どこぞのアイドルグループのあの人も見習ってほしい笑。

ただ、そんなチキン野郎のケイジのしょうもなさを丁寧にそれでいて絶妙なブラックコメディ具合の描写が激アツ展開になって後半生きてくるからすごい。

後半、固有種ギタイの攻撃を受けたことで
タイムリープの輪廻に巻き込まれてしまったケイジが、同じ1日を繰り返すうちに人間的にも技能的にも成長してしていくのだ。

このタイムリープによって同じ1日を繰り返すというのが、また面白い。

観た人ならわかると思うが、まさにテレビゲームの覚えゲー。ステージをクリアするために何度も死んでは攻略方法を見つけ出し、先に進んでいくというゲームをやったことがある人ならおなじみの設定が実写の映画で大真面目に作り上げるとこうまで面白いとは…。

ゲームオーバーの結末もギタイに殺されるというだけではなく、「戦場の雌犬(ビッチ)(通り名がサイコー笑)」ことエミリー・ブラント(「プラダを着た悪魔」)演じるリタ・ヴラダスキとの訓練中に負傷して殺されたり(タイムリープ中に負傷して血を流すとリープできなくなる)、ビル・パクストン(「ナイトクローラー」)演じる将軍のしごき中に脱出失敗して死亡したりとスペランカーか!ってぐらい死にまくる。

それをトム・クルーズがやってのけるんだから、面白くないわけがない。

けど、そうやって徐々に攻略していくなかで、次第にチキン野郎のケイジが主人公らしくなっていく様が熱い。

だからこそ、そんな熾烈な環境下の中で遂にいつものトム参上と言わんばかりの活躍をする終盤は目が離せなかった!

序盤、中盤、終盤と成長の過程をこれでもかと面白くみせる手腕はエンタメ映画として観ても素晴らしい。

まぁ、ラスボスがあっけないとか最後結局上手いこといったの!?とか疑問は残るが、ラストシーンのトムの笑顔で全部帳消し!!

スパンを空けて何度も観たい、痛快娯楽作として、特にゲーマーならそれ以上楽しめる一作。是非!!
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