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いなべのtetsuのレビュー・感想・評価

いなべ(2013年製作の映画)
3.7
春に行われたオンライン映画祭"We Are One:A Global Film Festival"にて鑑賞。

主人公・智宏のもとに、十数年振りに帰ってきた姉・直子。
両親の再婚相手が、かつて、直子の家庭教師だったという過去もあり、複雑な思いを抱える彼らだったが……。

吉本興業のバックアップにより製作された地域発信型映画のひとつ。

主演は、ハイキングウォーキングのゲップを吐かない方こと、松田洋昌さん。

いなべ市の地方映画かつ、吉本芸人の出演というルールがありながらも、しっかりと作家性を押し出す監督のセンスに圧倒された短編。

姉弟が淡々と故郷を歩き、過去を思い返す物語ながら、締めくくりが中々に秀逸。

主演の相方・鈴木Q太郎さんや笑い飯、ほんこんさんが出ているのにも関わらず、そこまでノイズに感じない自然さも絶妙だった。

吉本興行が関わった映画の中では、かなり好みな作品で、『僕の好きな女の子』と並ぶレベルで、邦画としての完成度が高い一作だった。
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