鰹よろし

ザ・シューター 大統領暗殺の鰹よろしのレビュー・感想・評価

1.5
 戦争の英雄と称えられ帰還した海兵隊のトッドは、戦死した親友の妻エレンとその息子ピッジの世話役を買って出、サドンリーという田舎町で保安官の職に就いていた。2人からの信頼は厚くそろそろ次の段階へと関係が進んでもよさそうな頃合い。

 しかし一方でカッとなりやすく怒りを抑えられなくなる2人には見せない一面がある模様。酒絡みの暴力沙汰が絶えず仕事中もお酒が手放せないほど。職場での信用は危ういものとなっていた。

 そんな折、大統領が事前連絡など全く無く突如しかも内密にその街を訪れることになり、また別に頼んでもないのに嬉しいだろう?と演説までしたいそうで、トッドはシークレットサービスのお手伝いをする羽目に。

 なんやかんやあってトッドとエレンとピッジとその他諸々が裏で蠢く大統領暗殺計画に巻き込まれていく...

 世界を股に掛けるわけでもなく、国中飛び回るわけでもなく、とある街の一画でいやほぼほぼ一軒家の中だけで繰り広げられる大統領暗殺計画とそれを阻止すべく攻防は正直言ってかなり見映えが悪い。

 しかし暗殺を実行するに至る動機を犯人たちの口から直接的に語るのではなく、一見彼らとは正反対に位置付けられる戦争の英雄と称されたトッドの口から語られる誰にも打ち明けられず独りで抱え込む他なかった真実(戦争の傷跡)から推し量らせる演出は作品に奥行きをもたらしており、一考する余地及び価値を生み出していると思う。


「時を失った男」(2015)...
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