原作、永井荷風の同名小説。荷風の最高傑作との事。とはいえ娼婦との恋愛物語なので一人鑑賞案件。
津川雅彦さんが主人公の永井荷風。彼の語りで物語が展開。独り身の気楽さが捨てきれず、60歳目前でも最高の女を探して赤線を遊び歩く日々に、お雪という娼婦と出会い彼女にのめり込むのだったが…
お雪役の墨田ユキさんが大胆な全裸を披露されていてとても綺麗。それを評する津川さんの台詞がすごくいやらしいのに淡々と真面目に言うので文芸的。たぶん。
荷風の母親が杉村春子さん、お雪のお店のお母さんが音羽信子さん、そのほか、艶歌師が角川博さん、娼婦に宮崎美子さんなど。
特攻に出陣する若者の前夜、夢が叶ったという彼が切なかった。
菊池寛に酒場で馬鹿にされ、芥川龍之介のファンに「お前も自殺しろ」などと言われる永井荷風。彼の作風って…
谷崎潤一郎とは仲良しだったのかな。