いんしょーと

墨東綺譚のいんしょーとのレビュー・感想・評価

墨東綺譚(1992年製作の映画)
3.8
津川雅彦の魅力を確かめるべく観賞。
58歳の永井荷風、そして死の間際までを。
色欲の衰えと共に創作意欲も低下していく…それを感じる年齢は、今よりも早かったのかもしれない。歳がかなり離れたお雪との恋は、それでもいっとき彼を若返らせて。
ただ、やはり自身の年齢は、最後の一歩を踏み出せない足枷になったのかしら。そこからの老いは…早かったなあ、、
お雪は、やはり若さと時代の変化との中で、人生まだまだ新しい発見、経験があるわけで、荷風の選択はきっと間違ってない。それが分かるからこそ寂しい最期。哀愁を感じさせる津川雅彦も、やはり素敵でした。