トシ

チョコレートドーナツのトシのネタバレレビュー・内容・結末

チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

🎞チョコレートドーナツ🎞

DVDにて鑑賞

公開日2014,04,19

監督#トラビスファイン

出演#アランカミング #ギャレットディラハント

【ストーリー】
カリフォルニアで歌手になることを夢見ながら、ショウダンサーとして日銭を稼いでいるルディ。
正義を信じ世の中を変えようと弁護士になったポール。
そして母の愛情を受けずに育ったダウン症の少年マルコ。
この3人は家族のように寄り添って暮らしていたが、ルディとポールはゲイであるということで好奇の目にさらされ、マルコを奪われてしまう。。

【構成とラスト】
ダウン症の少年とゲイのカップルの3人がメインの作品。
社会からもネガティブな囚われ方をしてしまうテーマを扱っており、強いメッセージ性を感じるのだが、ラストは特に強烈であると言える。
何故この結末なのか?とも思ってしまったがこの終わらせ方をすることで観ているものに少しでも見方を変えて欲しかったのだろうか。。?
何故こんなにも救われないのだろうか。。。
あえて美化したものではなくこのテーマに正面から更に辛い現実を織り交ぜて仕上げたというのは強烈なもの。
とても胸が痛く、考えさせられる作品であった。

【現状】
1970年を舞台にしているが、正直今とあまり変わっていないのではないか?とも思ってしまう。
差別に対しても周りは自分と違う、周りと異なるからといって冷ややかな反応を見せる。
この作品と変わっていない。
この様な事は今もどこかで起きているのではないかと思わせる、実話をベースにした作品だからこそ、そのメッセージの力強さを感じる。

この作品はそんな社会へ対してあてたものであり、70年代はLGBT運動が行われるようになった時代であり、あえてそこを深く掘り下げ、ゲイの2人がダウン症の少年を養子にしたら?というなかなかなものを作り上げた。

これによりたった1人でも良いから周りの人に対する見方、感じ方、接し方に変化が起きて欲しいものである😌

【家族愛】
他人である3人が一つ屋根の下で家族として暮らす。
更にはドーナツを欲しがるマルコに対しルディは『夕食にドーナツなんて体に悪い』という、それに対してポールは『たまになら害はない』と言ってドーナツを与える。
この会話が父と母の会話のように見えて、差別があるのだが皆となんら変わりがない同じ人間だ、ということの様にも捉えられる。

マルコを母の元に返した時も元のマルコの家に連れてきてもマルコは頑なに『ここは僕の家じゃない』と言い張る。
もうあの2人を本当の家族と思い、過去の居場所はもう自分がいるべき場所じゃないとわかっているマルコ。
それを話も聞かずに連れて行く大人、障害があるからといいろくに話も聞かず自らを善人と思い込み行動をしている様はなんと情けないものだろうか🙄

【ルディの歌】
初めはゲイバーにてガッツリ化粧をして、口パクで歌を披露するルディの姿が描かれる。
そのあと3人が家族になった後にもう一度歌われる歌がある。
しかもそれは口パクではなくルディ自身の声で歌われる。
しかもメイクもナチュラルで衣装も着ることなく歌を披露するギャップがあり、彼らに触れたことにより変わっていく様を歌と共に表現を変えた演出は見事👏

そしてクライマックスでもバラードを披露したりと時折ルディの歌を挟む演出。
『ここに愛はない』この歌詞がとても良い、自分達が人とちょっとちがうだけなのに、好きな人が同性だったというだけなのに、ここでは愛することされも出来ないのか。。
というルディの叫びに似ている。。

【まとめ】
ものすごく感動した!とかではないのだがしっかりとメッセージを受け取る事はできる。
やはりあのラストの衝撃はなかなかであり、どんでん返しということではないが、呆然となる。

これをバッドエンドと取るのか、この作品をきっかけで世界が変わることによりハッピーエンドだ、と取るのかは見た人によって違う。
そんな作品🎥😎
以前フォロワーさんからおすすめされた、
【ピーナッツバターファルコン】も近いニュアンスの様な作風なので、鑑賞してみようと思います🎬

トシ

トシ