鎌谷ミキ

チョコレートドーナツの鎌谷ミキのネタバレレビュー・内容・結末

チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

【(母親も障碍も)あの子が望んだわけじゃない】

[あらすじ]ネット版
1979年、歌手を目指す青年は夢見ながらも、ショーダンサーとして働いていた。彼はあるとき、一目惚れした弁護士と恋に落ちる。そして2人は、母に捨てられたダウン症の少年マルコを迎え入れ、家族のように暮らす。しかしその幸せな日々は、あまりにも脆く儚いものだった。

[レビュー]
マイノリティがマイノリティを育てる。
それだけも難しいことだということが本作は教えてくれますよね。

私はLGBTQの立場におらず、語る資格もないと思っています。でも、知ることはできる。
ノースコアなのは、悲しいと評価することに抵抗があるから。

そう、語るべきはマルコの母親のこと。
事実を元にしている…鑑賞後これがとても衝撃的でした。母親は、子どもと向き合うことなんてさらさらなく。ドラッグと男に溺れる…同じシンママでも、これだけは許せない。何故"コトを致す"のに、息子が起きている時間にわざわざするんでしょうか…永遠の謎です、私からすれば。

複雑な家庭の障碍者は過酷な生活を強いられているのか。これには自信を持って「ノー」といいたい。"カレ"は障碍者の自覚もある。その上で、できるだけの療育に通わせ、学校は勿論支援級。私ができることはすべてやっているつもりです(母子家庭の子どもが通う民間市営問わず放課後等デイサービスが基本料金無料で利用できるということはあまり知られていない)父親がいない分、支援者にフォローしてもらおうということです。なので、シングルマザーの障碍者が不幸せなんて、決めつけてほしくないんだ。それだけはわかってほしい。"カレ"は毎日楽しそうなのが、私の生活の糧となってる。習い事もしてるんだよ、こだわりを"利用して"プログラミングのできるロボット教室もね。

本作に戻ろう。私は法廷モノも好きなので、なんともいえない気持ちになった。法律上は、真面目に生きているゲイより、だらしない母親の方が親権を持てる。こんなことあっていいんでしょうかね…そこだけでも辛かった、のに。
基本知識として、知的障害で有名なダウン症は普通に会話できる人も多いです。すれ違うのは、自閉症ね。内向的な意味で使わないでね、全く意味が違うから。自分を閉ざす=他人を拒絶したがる

TSUTAYA更新でたまたま見つけた「親子で見る作品」とは違うやろ、コーナーはそこじゃないよTSUTAYAさん…『崖の上のポニョ』『SP vol.1』3本無料で借りれてラッキーでした。

我ながらレンタルしかないので、一番シビアなの選んでしまったのかも😢良作でした。が、悲しい…

[追記]
マルコ役のアイザック・レイヴァは実際にダウン症でした。セリフを覚えたり、過酷な撮影をこなすだけでも泣けてきます😢あまり知られてませんが、日本でも障碍を持ちながら活躍している方もおられますEテレ『バリバラ』なんて見ないかな、映画好きさんは。
私は泣けません。彼らのシビアな現実を毎日見ているからです。
鎌谷ミキ

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