人種差別の撤廃には国連の宣言やキング牧師らの演説がおおいに貢献したけれど、今日人々のLGBTへの理解を急速に浸透させているのは映画やその他の芸術であるように思えてならない。この映画に対する評価の高さからもそのような傾向がうかがえる。いまやLGBTへ偏見をもっている人の方がマイノリティ、あるいは「遅れている人」とみられるのではないか。
ただ、この映画の舞台は約30年前。逆境にたたされた彼らは怒りと、切なさとやるせなさと、しかしそれらの何倍もの愛と笑顔をもって生きていた。
切ない話だけどついこちらも笑って幸せな気持ちになれる、何度でも観たくなる映画。