イチロヲ

カリギュラのイチロヲのレビュー・感想・評価

カリギュラ(1980年製作の映画)
4.0
ローマ帝国の第3代皇帝に即位した青年カリギュラが、狂気の独裁体制を敷いていく。ペントハウス誌の社長がプロデュースしている、エロティック史劇。

ティント・ブラスが監督を務めているが、共同製作者により手が加えられているため、監督謹製とは言いづらいものがある。時代考証無用のサイケな巨大セットに露出度の高い男女が配置されており、局部丸出しの露骨なカットがラリってるように挟み込まれる。

反逆者に対する凄惨な処刑ショー、観客の目前で執り行われる皇后の出産ショー、最愛の実妹との近親相姦ドラマなど、絶対君主の隆盛と凋落が倒錯感満点に繰り広げられる。石井輝男もビックリの、極めて見世物的なエログロ・スプラッターを楽しむことが可能。

ハードコア・ポルノに分類されているが、いざ鑑賞してみると「自由意志を題材にしているエンタメ史劇」という印象を受ける。取って付けたような濡れ場はさて置き、マルコム・マクダウェルの怪演は「時計じかけのオレンジ」を凌駕するレベルと言える。
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