MARUKO

フルートベール駅でのMARUKOのレビュー・感想・評価

フルートベール駅で(2013年製作の映画)
4.4
作品の見えないところからフツフツと怒りを感じる。
ただ本作の件は、ほんとに難しい問題になってしまってるなと感じる。そういう面をこの作品はしっかり見せてくれるから、一方的じゃなく感じることができる。素晴らしい作品。

確かに彼らは何もやってないけど、あの事件の原因がなかったかと言われたら(罪は償ったと言えど)あったし、
確かに警察の態度はやりすぎだけど、警察が事実確認をする前に、俺たちは何にもやってねえHey!Yo!って向かってっちゃうのも良くないし(ニューイヤーの雰囲気と見てる人が多い電車のせいで、余計に高揚したのもあると思うし、警察もニューイヤーで警戒を高めてた面をもあると思う)、
確かに量刑は軽いように感じるけど、ここで超重い刑を科しても銃社会での危険な警察活動を保てないし…

発砲のきっかけが、単に黒人差別とも言えないし、単に警察の横暴とも言えない。作品としても"混乱"として映してる。
全ての要素が互いに引き金となって、複雑に絡み合ってしまった。
もはや責め合うしかない状態。救いがない。

その中で、お母さんのような毅然とした態度を取れるか。
無理だよ普通は、そんな立派な態度。歯を食いしばるしかないのかな。
「なぜ撃った」
いらないようで必要な台詞。何気ない台詞だけどしっかり入れて、"間違えたと言う証言が通った事実"を、忠実に受け入れる姿勢が偉い。

でもそうは言っても、やるせない。
MARUKO

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